独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2927
 
その1299
 
その576
 
大雑把に言って、映画「ライトスタッフ」のセリフは、原作「ザ・ライト・スタッフ」のどこかで使われてる表現の(いわば)つぎはぎ細工になっている―つまり、あるシーンのセリフに原作では全然別のところで使われてる(他の人物が喋ってたり、単に説明だったりする)ものをあてがってることが、まま見受けられるんですね。
 
例えば、ソ連スプートニクを打ち上げてジョンソンらが泡喰ってるシーンは、原作に「それはハルマゲドン、すなわち善と悪の力の最後の大決戦」(It was Armageddon, the final and decisive battle of the forces of good and evil.)とか、「まるで高速道路の架橋の上から石ころをおとすように」(He was genuinely convinced that the Soviets would send up space platforms from which they could drop nuclear bombs at will, like rocks from a highway overpass.)とか、ほぼ完全にセリフのままの表現があって、それを会議中のやりとりのように脚色したものでしょう。
 
ところが、そこでジョンソンは I don't intend to go to sleep by the light of a communist moon. コミュニストの月の光で眠る気にはなれん)とも宣ってますけど、原作によれば 実際にジョンソンが「共産主義者の月の光のもとで床につくのはまっぴら」と言ったのはホットドッグのフェイス7が打ち上げられる数日前の演説においてであったらしく、全然別のところのクダリだといった具合です。(ジェミニ、アポロの両新計画には莫大な経費がかかりすぎると非難したある下院議員に答える演説のなかで、つぎのように述べた。「私といたしましては、共産主義者の月の光のもとで床につくのはまっぴらであります」 とんでもない、そんなことになれば、スプートニクどころの騒ぎではない、毎晩毎晩、ロシア人に占拠された銀色の月が、頭の上を通っていくなんて![中公文庫] He made a speech answering charges that some congressmen were making about the high cost of the new programs, Gemini and Apollo, and he said: "I, for one, don't want to go to bed by the light of a Communist moon." Christ, that was worse than Sputnik: every night, overhead, sails the silvery moon, occupied by the Russians. スプートニク以来 the lines the same way they had been drawn とはされてるけれど)