【誰にともなしに、独り言レス―その3535】
「アポロ 13」はジム・ラヴェルの “Lost Moon” が原作(かつ technical consultant)だから、当然ラヴェル船長がセンターに陣取る構成なわけで、ラストのイオー・ジマ艦上のスペシャルゲスト(カメオ)出演―ラヴェル船長役のトム・ハンクスと Iwo Jima 艦長(Captain of USS Iwo Jima)役のジム・ラヴェルご本人に敬礼・握手させて締める(オチにする)なんてこと(ヨイショ)までしている。
ありきたりながら、たぶんロン・ハワードは「ライトスタッフ」を少なくとも意識しての上だと思うが、本物のイェーガーをパンチョの店の Fred 役(パンチョの何番目かの夫という裏設定?―その3417参照)で顔出しさせたカウフマンを真似(ヒントに)したのかもしれない。
けれど、さすがにカウフマンは芸と言うかヒネリ(スピン)をきかせて笑わせてくれていて、わざとらしくもクロスフィールドにマッハ 2 お祝いステーキ(a free steak dinner for breaking Mach 2)を Fred(イェーガー自身)に給仕させるシーン(その3071参照)を挟む。
イェーガー(空軍)を出し抜いてマッハ 2 お先に失礼フライトをやった宿敵クロスフィールド(NACA)に何とイェーガー本人がパンチョの店のステーキを差し出すのである。
すぐにイェーガーは X-1A(NACA Weep 作戦―その3460参照)で仕返し(スピン返し?―その3457参照)したからこそのフザケた演出―カウフマンは単~純にして凡庸にイェーガーを持ち上げて喜ばそうなんてしとりません。
ま、それでも間違いなくイェーガーは(単~純に)喜んでたわけですが。
※ ロン・ハワードは「ライトスタッフ」以上の映画は作れないと認めつつ、それさえもコケたんで、ビビッて「アポロ 13」を売れ筋狙いの脚色にしたか(その3223参照)―
You couldn't make a better movie about the space program than The Right Stuff, and no one had gone to see that. (Playboy Interview: Ron Howard)