【誰にともなしに、独り言レス―その3536】
なので、主人公のラヴェル船長はさておくとしても、売らんがためのストーリー作りにマッティングリーを不運なヒーローに仕立て上げ、その引き立て役にスワイガートを貶めるってのは(安易な売れ筋だろうと)無理筋の悪手と言う他はない。
ガチに正しくスワイガートの「アポロ 13」を作るとしたら、capcom のカーウィンはもちろん、そもそも(ここぞと言う時の)管制のセンターには(ジーン・クランツではなく)グリン・ラニーが立ってるはずだし。(その3007参照)
「アポロ 13」の technical consultant を務めた管制官(FIDO White)のジェリー・ボスティック Jerry C. Bostick は―
So the Gene Kranz role in the movie, as well of a lot of others, were a combination of all of the flight directors. (Johnson Space Center Oral History 24 June 2000)
と、映画のジーン・クランツはフライト全員(グリン・ラニー、ミルト・ウィンドラー、ジェリー・グリフィン 4 名)のフュージョン的所産だと明言している。
なかでも(「アポロ 13」に登場しはするけど全く影の薄い)グリン・ラニーこそが地球への帰還ミッションの事実上の陣頭指揮を執ったんですよ。(その3008参照)
その模様を具に見ていたマッティングリーが―
And if there was a hero, Glynn Lunney was, by himself, the hero.
と指摘するように。
つまりジーン・クランツにしろマッティングリーにしろ、ハリウッド式の売れ筋脚色で誰か一人を象徴的に祭り上げるのは常套手段、その狙いどおり大ヒットさせたし、「アメリカ映画 勇気と感動 ベスト 100」(The AFI's 100 Cheers:America's Most Inspiring Movies)で堂々 12 位にランクされてもいる。(その3223参照)
にしたって、その犠牲にスワイガートを(むげに事実を捻じ曲げて)コケにしていいわけは全然ない―よって、純正ライトスタッフ批判の対象とは認められませんって話です。