独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3537】

 

YouTube で―

 

アポロ13号・奇跡の生還(テレビ朝日クライシスシリーズ第2弾 1994年7月17日放送)

 

を見ると、ジム・ラヴェルが(司令船再起動/再突入の際)―

 

地上に向かって早くチェックリストを送ってくれと頼みました 相当長いものになるはずでしたからね 司令船の担当はスワイガートでしたから早めに教えてもらって予行演習をしたかったんです そこで私は言いました 頼むから早くチェックリストをくれないか スワイガートは新米なんだぞ 一とおり目を通す時間を与えてくれってね

 

と(吹き替えで)語っていた。

 

ちょっと待てぃ… これじゃ、さも司令船パイロットが新米で頼りないポンコツだからと言わんばかりに聞こえるが。(どうゆうこっちゃ?)

 

実際のラヴェル船長がスワイガートのスキルを不安視してるわけなど 1 ミリもないので、おそらく番組の元ネタであろう―

 

"Apollo 13: To the Edge and Back" (1994 Documentary)

 

を(YouTube で)確認してみたら、該当箇所でラヴェルは―

 

so I'm calling down and saying I would certainly like to have that checklist up here because I do it was gonna be a very long thing and we're gonna have to copy down as Swigert who's gonna have to be doing all this sort of stuff and I wanted to maybe they get it up and maybe have a couple dry runs ~

 

Could you please send up the checklist so my rookie you know command module pilot should go through it as start throw the switches.

 

と言ってるようで、この my rookie を「新米」とマジに訳してたのね。

 

まぁ… 単純な誤訳では全然ないにしろ、意味内容からしたら大きな大間違いですよ、これは―日本語で聞くと当たり前に印象操作されちゃうでしょ、スワイガートは(ドジでのろまな)新米でチェックリストをチェックするのも覚束ないのかって。

 

ラヴェルの “my rookie” には(なこたぁ管制も分かり切ってるんだから)半分ふざけた軽口感があるし、宇宙飛行士の rookie ってのは単に初めての宇宙ミッション(spaceflight rookie)という意味で、アポロ13 チームでは別にスワイガート(元バックアップ CMP)だけじゃなくてヘイズもマッティングリーもチャーリー・デューク(バックアップ LMP)も初心者マーク付きの rookie、既に苔の生えたキャリアのジョン・ヤング(バックアップ CDR)とラヴェル本人(つまりベテランの船長さん)以外のクルーは新米ルーキー揃いの編成だった。

 

スワイガートは新米なんだぞ―なんて(そうは言ってないセリフを)言わせてラヴェル船長が司令船のチェックリストを急かせるってストーリーにしてるのは完全な無知(か素人考え)ゆえの創作(意訳)で、司令船のエキスパート(かつ、超キッチリした性格)のスワイガートはミッション・コントロール(地上)が急遽オリジナル・プランを変更・書き換えたチェックリストの手順どおりキッチリこなしている―かくして、間違いなくアポロ13 は生還しえたんだからジャック “the rookie” スワイガートの精確なスキルを疑う余地はないでしょ、結果が示すとおり。