独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3068
 
ところで、話は変わるが―と見せかけて、その実(我ながら面白いことに)変わらない  X-15 の話
 
First Man” は(わたしの望みどおり―その2892 参照)X-15 のシーンから始まる。
 
その理由を問われ、脚本のジョシュ・シンガーは―
 
We fell in love with the aircraft. The fastest and highest flying ever built…flew well over Mach 6 and more than 50 miles high, well outside the sensible atmosphere.”
 
と、あっさり(小理屈なしに)答えている。
 
原作のハンセンによると(あの無口な)アームストロングは X-15 についちゃ喋りまくっていたとか。(“really didn’t enjoy talking about the Moon landing, but ask him about the X-15 and he’d talk a blue streak.”
 
とにかく、何はなくても X-15 を抜きにしては当時の話は全然できないんですよ、絶対に。
 
X-15 関連レス―
 
その33 (2003/ 5/30
 
ひよっこ達(マーキュリー7)お披露目の記者会見で、liaison man は「イェーガーのやつに見せたいよ ひよっ子が一躍 飛行士のスター だがまだ記者会見に出ただけさ」(Yeager ought to see this. Seven rookies being installed as the hottest fliers...and they haven't done a thing but show up for a press conference.)と凸凹リクルータ・コンビに言います。
 
それをイェーガーはラジオで聴いてる(か、TV で見てる)ようにありますね―パンチョの店で。(ウィスキーか何かやりながら、独り静かに―と言いたいところですが、スコット・クロスフィールドも一緒)
 
そのシーン、イェーガーの前に X-15 の模型が置いてあるのが(アップで)かぶせ気味に映される。
 
そして、クロスフィールドが(その機首の辺りを)いじって印象づけるんです。
 
ここ―こりゃ相当に深~い意味があるんじゃないかと気付かされたんですが、どうでしょう?
 
つまり、クロスフィールドに始まる X-15 の実験プログラムこそ、少なくとも表舞台ではマーキュリー計画に取って替わられ、にも拘らずそれを裏で支えてたという皮肉な背景があるゆえ。
 
クロスフィールドは、ラストでイェーガーの NF-104 が文字どおりクライマックスに表現するものを、あの(ほんの一瞬の)カットで、さりげなく要約して見せてくれてるんじゃ?
 
だとするなら、もう少し(X-15 だと)はっきり分かるように映してくれないと―
 
って、わたしがピンとこなかっただけか。
 
参考
 
X-15 が高さと速さの記録を更新し続けてる一方で、マーキュリーのロケット打ち上げ実験は(たっぷり「ライトスタッフ」でも皮肉られてるように)失敗の連続。
 
エドワーズの広報(PR officer)の新聞記事―
 
"While the Mercury astronauts get all the headlines, the X-15 pilots do all the work,"Saturday Evening Post
 
マーキュリーは飛びもしないでチヤホヤされてるが、X-15 は現に飛んで仕事してんだ、その影で!
 
―と、憤ってますね、正当にも。
 
余談
 
わたしは子供の頃、よくX-15 の画を描きながら、どう付いているのかよく分からない翼が(なにしろ機体がまっ黒だから)カッコいいような悪いような、なんとも微妙な感じがしてたのを覚えている。
 
で、X-15 なんて何で知ってたのかと言うと、マンガの連載に X-15 が出てくるのがあって(「少年ロケット部隊」)、それを真似てたのでありました。