独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3067
 
その102 (2003/ 8/25
 
さて、承知の上で無視したのだけれど、あの連絡官が自らを空軍だと明かしてるようなセリフが他にもある。
 
マーキュリー7 お披露目のシーン、ジョン・グレンのいかにも芝居がかった演説の後、ホットドッグが負けじと一席ぶち、それに対する連絡官の感想―
 
One of our Air Force boys.   (字幕 「さすが空軍だ」)
 
"our Air Force" と言う限りは、当人も Air Force の一員だと考えるのが最も自然ではあろう。
 
にも拘らず、仮にあの連絡官が空軍ではなしに、NACA の(エドワーズ駐在の) liaison officer だとして、その場合でもやはり our Air Force と言うんじゃないかと思うんですが?(少なくとも不自然ではない?)
 
もとより架空の人物なので、どこの馬の骨(所属 or  無所属)だろうと何ら構わないのだが、あの連絡官は「ライトスタッフ」の狂言回しの一人として、また色んな意味での liaison man として、映画の構成上 欠くべからざる存在であるが故に、敢えて(言うなれば)ワイルドカード的 = ジョーカー的な(ライトスタッフ方式の何でもあり的な)曖昧な位置にいる?
 
※ むしろ、どこそこの所属でもなく―強いて言うなら、エドワーズにあって単に空軍のための仲立ちをしてるだけの存在  liaison man for the Air Force  てなとこか。
 
 
てなわけで、次回の独り言ゼミのテーマは―
 
liaison man NACA の人」説について
 
その103 (2003/ 8/26
 
そもそも「liaison man NACA の人」説には、そう簡単には穴を空けられそうにない壁が(サウンドバリアの如く)立ちはだかっております。
 
その壁とは(お気付きでしょうけど)あの連絡官が仮に NACA の人だとしても、NACA NASA に変った時点で、NASA の人になるんじゃないのかってことですね、早い話が。
 
で、実は早い話どころか非常に(デリケートで)ややこしい話になるが(むしろ)その点にこそ、わたしの言いたいことがあるんですよ、実は、えぇ。(ま、ぼちぼち行きましょう)
 
まず、いわゆるスプートニク・ショックから慌てて NASA が創設され、マーキュリー計画がスタートするのは 1958年のこと―同時に NACA は統廃合と言うか、吸収されるかたちで消滅する。
 
ですから、あの連絡官が NACA の人であるのは(仮にそうだとして)、せいぜいパンチョの店に凸凹リクルータ・コンビが宇宙飛行士のスカウトに来るシーン、いやその時点でもう NASA の人になってるのかもしれないし、その後のマーキュリー7 のお披露目シーンでは完全に NASA の人でしょう、名刺の肩書きから言うと。
 
が、しか~し。
 
それでも敢えて、あの連絡官は決して「NASA の人」ではありません、とわたしは言いたい。
 
つまり名刺の肩書きがどう変ろうと、NACA と全く同じポジションにあるんですから、依然として。
 
そして言うなれば、その NACA と全く同じポジションのまま、自ら NASA liaison してるだけで、本質的には「NACA の人」でなくてはならないんです、あの連絡官は。
 
なぜなら、NASA S ―即ち Space が付いてるのと付いてないのとでは、まるで意味が違ってくるゆえにであります。
 
 
彼のポジションに、かろうじて S の字が付いてると感じられるのは、マーキュリー7 お披露目会場に凸凹リクルータ・コンビと一緒に立ち会ってるシーンだけで、それも(そこですら思わず?)our Air Force と口を滑らせてしまうくらい、まことに往生際が悪い。
 
しかも、それより後のガス・グリソムの TV ニュースを見てピッグス湾の話を持ち出すシーンや、イェーガーに NF-104 を見せるシーンでは、その S の字をむしろ消しにかかってるようにさえ見える。
 
あたかも、その限りにおいてこそイェーガーとマーキュリー7 とを liaison するという本分(任務)をまっとうできる、と自ら承知してるかのように。
 
わたしの密かな想像では、あの連絡官は NACA NASA に変った後も、おそらく昔の古い名刺を(そ知らぬ顔で)使ってたに違いない―
 
NACA の人」でありつづけることこそが、彼にとってのライトスタッフだと自覚して…
 
NACA  アメリカ航空諮問委員会
National Advisory Committee for Aeronautics) 
 
National Aeronautic and Space Administration) 
 
蛇足
 
あの連絡官が(空軍ではなく) NACA の人だと匂わせる状況証拠をひとつだけ示しておきましょう―
 
スコット・クロスフィールドが(海軍機の)D558-Ⅱでマッハ 2 を記録した時のニュース映像で、あの連絡官が気乗りしないイェーガーを無理やり引っぱり出すようにして握手させる(ゾウムシ連中がイェーガーにではなくクロスフィールドに群がりスポットライトを浴びせる)シーンが、それです。
 
当時、クロスフィールドは NACA に所属していた。
 
すると、まさに NACA の連絡官であればこそ、二人を liaison してるんじゃないのか?
 
空軍の連絡官なら、たとえ(エドワーズの)連絡官といえども空軍を出し抜いた NACA のクロスフィールドは持ち上げないんじゃなかろうか?
 
そして、更に今度は NACA を出し抜いてやろうとばかりに、空軍のイェーガーが X-1A でクロスフィールドの記録を塗り替えんとする時、あの連絡官の姿がどこにも見えないのも決して単なる偶然ではない… ?(ま、いつもの妄想です)