独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3059
 
その43 (2003/ 6/24
 
マーキュリー7 Spam in a can と皮肉ったイェーガーの口の悪さは天下一品で、「ライトスタッフ」でも(わずかながら)その片鱗が窺えるとこがあります。
 
連絡官が(これからは記録を出すだけじゃなく)coverage(マスコミ受け)が大切だと言った時のイェーガーの反応―
 
Coverage You mean them root weevils that crawl around popping cameras
 
字幕は「マスコミ? 群れをなしてフラッシュをたく連中か」(レンタル「顔の前でフラッシュをたく野郎どもか」)
 
ん~、この訳は…
 
第一に、意味からしてマスコミ coverage はゾウムシ root weevils だと言ってるのに、それは完全にムシしてますね。(←シャレですよ、シャレ)
 
これじゃイェーガーの(口さがない)セリフが全然 活かされておりません。
 
第二に、これって root weevils は文法的に popping cameras の主語(popping cameras しながら crawl around する root weevils という半ヒネリを加えた構文)なの?
 
字幕はそう取ってますよね、明らかに。
 
単純に popping cameras のまわり(around)を crawl する root weevils じゃないのかしらん?
 
そう素直(日本語的)に読んじゃいけない何か文法上のわけでもあるのか?(もとより不完全な文章ではあろうが)
 
第三に、しかしながら、この字幕のように訳してしまうと、すぐ後に続く―
 
Those root weevils write history. 「彼らが歴史を書く」
 
という連絡官のセリフが(ちょいとばかり)ひっかかってくる。
 
「書く」のはフラッシュをたく連中じゃなくて、つまりカメラマンじゃなくて、あくまで記者ですから。
 
まあ、両者を兼ねてると言うか、含んだ意味での「マスコミ」なんでしょうが、話の流れとしては違和感が残りません?
 
「フラッシュをたく連中が歴史を書く」なんて…(わたしは残りますね、大いに違和感が)
 
その辺を考慮しつつ、逐語訳的意訳(?)をするなら―
 
「ジャーナリストだって? パシャパシャ写真を撮ってる奴のまわりに這いずってる、あの害虫どものことか?」
 
といったところで、いかがでしょう? (脳内字幕には長すぎてボツ)
 
* 豆知識
 
root weevils はゾウムシのこと―ゾウムシの幼虫は根っこをかじって傷め、成虫になると葉っぱを食べて枯らす、植物にとっては嫌~な害虫。
 
ゾウの長い鼻は本当に鼻ですが、ゾウムシの長い鼻は実は口です。
 
進化の過程で、口先だけが異常に発達したんですよ―ジャーナリストみたいに。
 
 
その74 (2003/ 7/24
 
謎シリーズ第 5 「謎の root weevils
 
root weevils について、ちょっとムシ返します。(←シャレですよ、シャレ)
 
Coverage You mean them root weevils that crawl around popping cameras
 
イェーガーのこのセリフを取り上げて、わたしは―
 
popping cameras のまわり(around)を crawl する root weevils
 
と解釈し(around の後に the とか those とかがないので)そうは読めない気もしてたけども、とにかく―
 
Those root weevils write history. 「彼らが歴史を書く」
 
という(その後に続く)連絡官のセリフとの整合性を考えると、そう取らないとおかしいんじゃないかと考えたんですね―フラッシュをたく連中が歴史を書いてたまるか、と。
 
さて、じゃあイェーガーがゾウムシ呼ばわりしたマスコミ連中とは、具体的には一体どの連中のことなのか?
 
最近やっと気付いたことに、実はイェーガーがゾウムシ呼ばわりしたマスコミ連中が誰であるのか、はっきり特定できる証拠があるんですよ。
 
そして、わたしにとってはゾウムシの正体を特定することよりもむしろ、その証拠そのもののほうがずっと大きな意味を持っていたということに気付いたのであります。
 
 
その 75
 
先に言ってしまうと、ゾウムシの正体は(ご想像どおり)―
 
I Fratelli Bologna the Bologna Brothers の面々。
 
この(わたしが「マスコミ7」と名付けた)連中は、おそらくフィリップ・カウフマンが自らオファーした、それなりの連中であるはずで、そう思って注意して見ると、さすがに7人の動きは計算されたステージ・パフォーマンスだと納得させられる。
 
では、その彼らが最初に登場するシーンはどこだと思います?  マーキュリー7のお披露目のシーン?
 
そう思うでしょ―でも、そうではないんです。 彼らは確かにマーキュリー7にまとわりついてました、パパラッチみたいにしつこく。
 
でも、最初はそこじゃない―彼らが最初に登場するのは、ずっと前です。
 
スコット・クロスフィールドがマッハ 2 を記録して、そのニュース映像が流れますよね―イェーガーとクロスフィールドが握手したりして。
 
そこです―よってたかってカメラをかまえてるのが「マスコミ7」に他なりません。
 
イェーガーは、その時(自身の音速突破では無視された)ゾウムシ連中の洗礼を受ける―つまり、辻褄は合ってるんですよ、マーキュリー7のお披露目より以前に彼らを知ってるということの。
 
そして見逃してはいけないのは、いや聞き逃してはいけないのは、彼らがパパラッチのように(と言うか、そのものだけど)登場する時には、なぜかカサカサ、カシャカシャ、いつも(テーマ曲みたいに)耳障りな効果音が流れるでしょ―あれって、何か昆虫が(うごめいて)擦れ合ってるような音ですよね。
 
そう、まさしくゾウムシを表してる音なんです、あれは―カメラのフラッシュの音、シャッターの音にオーバーラップさせて、わざとゾウムシの音を発してるに違いありません。
 
考えてみれば、何のことはない―イェーガーがマスコミ連中をゾウムシ呼ばわりするのは、そのすぐ後のシーン。
 
ですから(解りきったことだったのだが)イェーガーがゾウムシ呼ばわりするマスコミ連中とは、クロスフィールドと握手させられた時にまとわりついていた「マスコミ7」だったと特定できるのであります。
 
※ 果たしてカウフマンはスクリプトに指示している―
 
the PRESS is swarming around Crossfield’s plane. WE HEAR: THEIR STRANGE SOUND—buzzing, popping, chewing like root weevils swarming.