独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3458】

 

それに訳文の字句については―

 

rocket-plane tumble を >極超音速の宙返り とするのはまだしも、

 

the supersonic envelope  を >極超音速の袋 と訳すのは問題あり。

 

supersonic は極超音速ではなく、超音速―極は付きません。

 

極超音速 hypersonic は概ねマッハ 5 以上のレベルで、例えば X-15 には冠しても可なれど X-1A や X-2 クラス(マッハ 2~3)には不可です。

 

それに >極超音速の袋 って何のこっちゃ?

 

極超音速の袋に開いたこの穴を初めて突破したのがイエーガーだった

 

Yeager had been the first rocket pilot to go through this particular hole in the supersonic envelope

 

ライトスタッフ」のグレニスのセリフ―

 

Punch a hole in the sky. (その3170参照)

 

を記憶されてる方は関連付けて(善意に)解釈してくれるやもしれないけれど、この訳は問題ありどころじゃありません。

 

the supersonic envelope の envelope は(漠然と)袋ではなく(端的に)封筒のことで、正しい?直訳は(>極超音速の袋 ではなく)超音速の封筒 となる。

 

が、この界隈で envelope と言やぁ(もちろん封筒ではなく)pushing the envelope の envelope に決まってる。(その3040、3045~46参照)

 

従って、原文の言わんとする意味合いはイェーガーが X-1A の pushing the supersonic envelope において(ロケット機で)初めて inertial roll coupling (の穴)を通った(経験した)こと―それを >袋に開いたこの穴 と下手にシャレたくなるのだろうけども、わたしは this particular hole から(いつもの妄想で)ブラックホール特異点を連想します。

 

イェーガーは高度 25,000 フィートまで(なす術もなく、かつキャノピーに頭突きをかましつつ)わやくちゃに落下し、やっとそこで操縦桿に空気の手応えを感じて、ついにブラックホールを(秘技スピン返しで)すり抜ける―てな正しい?イメージですね。