【誰にともなしに、独り言レス―その3457】
それでも、ついケチつけてしまう悪い癖で申し訳ないが、まぁ厳密にはトム・ウルフの原文より訳し方にだからいいか、まず最後の―
何とか機を錐揉み状態にまで持って行った。それがよかった。普通の錐揉みだったら、彼は抜け出す方法を知っていた
managing to put the ship into a spin. That was good; a mere spin he knew how to get out of
ここがなぁ… 少々(スピンの)ねじ込みが甘くて微妙にユル~い感じなんですよ、わたしには。
前述のインタビューでイェーガーが匂わせた I’d spun airplanes all my life and that’s exactly what I did. I recovered the X-1A from inverted spin into a normal spin のスピンなんざ日常茶飯事(お手の物)感がないし、肝心のクロスフィールドに舌を巻かせた deliberately put the ship into a spin の毒を以て毒を制す(秘技スピン返し?)感も欠く。
この deliberately(わざと) こそイェーガーの X-1A 事件のキーワードで、イェーガーがクロスフィールドに答えたとおりホントに意図(意識)してフツーのスピンを(修復ツールとして)上書き?したのか、何か野生(テストパイロット)の本能(or 習性)的な無意識のアクロバチック・ハンドル捌き(スピン返し)なのか、或いは奇跡的に結果オーライになったにすぎず、たまたま(一瞬の失神から)気が付いたら(わやくちゃの rocket-plane tumble から)いつもの手馴れたスピンに陥っていて(しめたとばかり)ひょひょいっと立て直し(popped it out of that)涼しい顔して命拾いできただけなのか…
要は熟練スナイパーの狙ったトラブルシューティングだったのか、それとも単に超ラッキーな(瓢箪から駒みたいな)マグレ当たりの唯一の解だったのか―ま、いずれにせよ(クロスフィールドさえ畏れ入る)イェーガーならではの超絶離れ業だったことに違いあるまい。