【誰にともなしに、独り言レス―その3463】
初期スクリプトで X-15 の模型を当り前にクロスフィールドが（I want to show you something. と）イェーガーに示していたのを、何と改訂版では（極めて理不尽にも）連絡官が（I want to show you boys something. と）当のクロスフィールドをも含めた boys（Pilots move in close. Crossfield, Walker, Gordo, etc.）に X-15 のネタばらし（その3069参照）―既に（残念ながら）この時点で最終形態では X-15 絡みの（エンジニア／テストパイロットとしての正しい）クロスフィールドは消されてしまう方向（既定路線？）なのが読み取れる。
たぶん、初期スクリプトのままだったらクロスフィールドとて渋々でも裏書サイン（endorse）してくれたかもしれないけれど、ありえない（とうていマジとは思えない）改訂はカウフマンの X-15 への執着（あっさり捨て切れない未練）のなせるアドホック（一時しのぎ的）なフェイク（裏返し）とも感じられ、この支離滅裂な展開で無理押しするつもりだったとは考えられない―で、結局（最終形態）は丸ごと X-15 を完全削除してるわけです。
「ライトスタッフ」は大枠イェーガー（テストパイロット）とマーキュリー７（宇宙飛行士）のパラレルな話、スクリプトを見る限り（事実そうだったように）クロスフィールド（X-15）がセンター（中間項）に立つ構図になるはずのところ（その3449参照）、それじゃ焦点がボケまくってエッジが利きません―イェーガーとクロスフィールドの両雄を並び立てるなんて以前にカウフマンの真意（狙い）からは軌道が逸れるんですよ、そうやると。（その3081参照）
もとよりクロスフィールドはイェーガーの添えものに置かれる（抱き合わせ程度の）存在では絶対ないし、どころかイェーガーと並べ比較することすら本質的には間違いとさえ言えますし。
ま、基本的にカウフマンの（原作に律儀な）スクリプトには呆れるほど盛り沢山の興味深い情報が詰め込んであって、読むだけでもオモロい話のオンパレードなのではあるが、逐一なぞって撮ってたんじゃ（とてもじゃないけど）倍の尺でも足りないくらいだろうから（その3158参照）、ドラスティックな編集・変更（大幅な削除・短縮）は想定内の大前提で、本筋のテーマ（イェーガーからクーパーへのライトスタッフの継承）に絞り込んで余計なエピソードは削り落とす腹づもりだった―と想像する次第です。
