独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3040
 
カウフマンはイェーガーの NF-104 奇跡の生還シーンについてサム・シェパードライトスタッフぶりを語る(Film Comment Why Sam Shepard Has “The Right Stuff” by Philip Kaufman on August 4, 2017)―
 
And we move in to do the close-up. Sam/Yeager’s face is bleeding, his skin is charred black and still smoking. He’s like an apparition, a ghost. And as we do the first take… I see Sam is chewing gum.  “Sam, the gum!”
 
What about it?
 
Sam, you just fell from 26,000 feet. You ejected, you broke your helmet on the canopy, you’re burnt, bleeding, barely alive and you’re still smoking. If you chew gum, people’re gonna laugh.”
 
And Sam said: “No they ain’t.”
 
あの生還シーンのイェーガーが平然として不敵にもガム(Beemans)を噛んでいるのは、カウフマンのスクリプトHe turns, and we see: his eye socket is slashed, swollen, caked shut, and covered with a crust of burned blood. He looks around… And he begins to walk.)にはない、サム・シェパードのアイデアと言うより、ただ普通に自分なりのセンスで演ってるだけのような、そんな(トム・ウルフの言う)捉えどころのない(あの)正しい資質を見せつける―
 
This guy could fall out of the sky and chew his Beemans at the same time; because he… had that certain quality. In fact it kinda visualized that quality Tom Wolfe had been talking about: that elusive quality.
 
そこで(はたと気づかされた)カウフマンは NG(黒こげで死にそうなのにガム噛んでたら可笑しいだろ!)を撤回し―
 
And so I said,  “Action.”
 
と(ガムを噛んだままバージョンで)きっちり撮ったそうである。
 
このサム・シェパードの姿こそが即ち、ライトスタッフとは何か? の答だと明快かつ鮮烈に映像化してくれてるわけです。
 
 
その1231
 
screw the pooch (機をオシャカに)したイェーガーが >依然として孤高のライトスタッフである と認めうるのは何故か?
 
機を "pushing the envelope" する資質とは、言うなれば内的に自らを "pushing the envelope" し続ける資質の投影(具体的な発露)であって、たとえ実際的・技術的に screw the pooch してしまったとしても―そのテストパイロットが内なる "pushing the envelope" (自身の限界ぎりぎりまでテストすること)を放棄・断念してしまわない限り(端的には死なない限り)―直ちに(機もろとも)ライトスタッフを喪失するわけでは全然なく、いやしくも顔面を黒こげにしたイェーガーが(ガムをクチャクチャ噛みながら)リドリーの救急トラックに向かって敢然と進んでくる(尚も "pushing the envelope" することを止めない)限り、たとえ事実(表面)上 ピラミッドの頂から転落しようが(どうしようが)孤高のライトスタッフは(ゆるぎなく)維持されるはずであって、これを約言するなら 真のライトスタッフとは(トートロジーになるが)テストパイロットがライトスタッフであり続ける・ライトスタッフであることを追い続ける(即ち、自らの意志で "pushing the envelope" し続ける)覚悟であり、その矜持に他なるまい。(と、わたしはライトスタッフを見て思う)