独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3027
 
カウフマンはレボン・ヘルムがイェーガーと同じウェスト・ヴァージニア訛りなのでナレーターに使った(Levon Helm had that voice that Tom Wolfe ascribed to Chuck Yeager,that sort of West Virginia drawl that Sam didn’t have. That’s why I had Levon as the narrator of the movie.)と説明してるけども(その3021 参照)、むしろ逆にレボン・ヘルムの(イェーガー弁っぽい)声がカウフマンに(お、こりゃ使えるなとばかりに)それ用のナレーションを閃かせたという気がする。
 
わたしが、あえて >(まことに興味深いことに、他ならぬリドリーの声で) と(いかにも意味ありげに)書いてるように、レボン・ヘルム=リドリーの声があってこそのラストのナレーションだと思われるゆえ。
 
実のところ、カウフマンのスクリプトTHE RIGHT STUFF A Screenplay from Tom Wolfe’s book  by Philip Kaufman Revised Draft February,1982)のエンディングは―
 
And the tiny spacecraft goes up, and up,until it disappears in the wild blue yonder, and…
 
“Nothing can stop the Army Air Force.”
 
となっていて、ごく単純に Wild Blue YonderAir Force Song)のフレーズで締め括られている。
 
つまり、当初(撮影は March 1982  から始まってるので)あのリドリーのナレーションはカウフマンの念頭に全然なかったようで、事によると編集で後付け(撮影後にアフレコ)されたのかもしれないとさえ思う。
 
ライトスタッフ」がグリソムの Go, Hot Dog, go!(←スクリプトにある)からリドリーの声のナレーション The Mercury program was over. Four years later....Gus Grissom was killed along with  ではなく、あっさり “Nothing can stop the Army Air Force.”  で幕引きになっていたなら、わたしは「ライトスタッフは名作です」が 100正しいテーゼだと主張するのに躊躇っていたことだろう―
 
スケール感や深みが全く比較にならないのは明らかです。
 
 
関連レス―
 
その838839
 
イェーガーが X-1 音速の壁を破った後、ピラミッドの頂上目指してエドワーズにやってくるホットドッグ(ファミリー)が映り、マーキュリー7のなかではゴードン・クーパーが最初に登場することに注目されたい―もうこれだけで、はっきりとライトスタッフの系譜(継承者)が明示されていて、続けてホットドッグは誰やらエドワーズのテストパイロットの葬儀にイェーガーと向かい合うようにして参列する。
 
ホットドッグは常にイェーガーを注視していて、その尋常ならざる眼差しはピラミッドの頂上に立つ真のライトスタッフ(の体現者)への半ば憧憬であり、半ば挑発(挑戦)であろうか。
 
そして、言うまでもなく映画はラストのフェイス7 の打ち上げ(及びナレーション)でホットドッグが真のライトスタッフであることを示して完結させる―このシーンで流れる「ライトスタッフ」のテーマに Air Force Song Off We Go, Into The Wild Blue Yonder )のフレーズが何の違和感もなく挟まれるのも、まさに空軍のライトスタッフの系譜が描かれているからに他なるまい。 (もちろん前提としてはホットドッグのセリフ Up we go into the wild blue yonder に合わせたシャレにしても)