独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2956
 
オルドリンは Return to Earth Wayne Warga 共著)で―
 
At breakfast early on the morning of the launch. Dr. Thomas Paine, the Administrator of NASA, told us that concern for our own safety must govern all our actions, and if anything looked wrong we were to abort the mission. He then made a most surprising and unprecedented statement: if we were forced to abort, we would be immediately recycled and assigned to the next landing attempt. What he said and how he said it was very reassuring.
 
と(こっちが驚かされることを)述べている。
 
もしもアポロ11 が中止せざるを得なくなっても、直ぐに次の再チャレンジに任命される―つまり(字義どおりなら)続くアポロ12 もアームストロング、オルドリン、コリンズで行くって、んなアホな…
 
んなアホなことがあるわけないとの前提で推測すると、トーマス・ペイン(NASA  長官)が安全第一、ヤバそうだったら中止と(今更の)念押ししたのは万一 アポロ11 が完全に失敗(screw the pooch)してクルー全員が農場を買うなんて事態になれば、その時点でアポロ計画(月着陸ミッション)全ての破棄に直結する―無理だと思ったら(再トライさせてやるからと言いくるめ)とにかく中止して戻って来いということじゃなかろうか。
 
ラスト・マンのジーン・サーナン(アポロ17)がクリス・クラフトに(白いスカーフは外して)"Just come back alive" と釘を刺されたように。
 
関連レス―
 
その901
 
シュミットは 3 回の船外活動を 4 回に増やしてくれと(ホワイトハウスに電話して大統領に直に掛け合ってもいいと)訴えたが却下され、そのことで船長のサーナンがクリス・クラフトに(「白いスカーフは外せ」 "Put your white scarves away" という言い回しで)調子こいてんじゃない(「月に行けるだけでありがたいと思え」You're lucky you even have a mission!)と咎められて、今回のミッションの要件(the number one mission rule)を肝に銘じておけ(Tattoo this to your eyelids.)と忠告される(「君達の務めはひとつだ 頭に刻み付けろ」)― Don't take any chances.  Just come back alive. (「無茶をしないで生きて帰って来ること」)
 
NASA は最後の月ミッションで下手にケチをつけたくなかったので内容は二の次、とにかくゴタゴタを起こさず無事に遂行できさえすればそれでよしという完全に守りに入ったスタンスだったことが窺えます。
 
対し、シュミットの―
 
President Nixon sent up a message congratulating us on the "last exploration of the moon in this century".  Boy, that made me mad,because we were just getting good at it (「ニクソン大統領からメッセージが届いてたんだけど、今世紀最後の月面探査の成功を祝うというんだ。悔しかった… これからって時だったのに」)
 
と(やっと手馴れてきた月面探査がアポロ17 で幕切れにされ)憤懣やるかたない発言からも、その入れ込みようが分る。
 
 
その902
 
余談  1
 
わたしにはクリス・クラフトの「月に行けるだけでありがたいと思え」は「ライトスタッフ」でジョン・グレンがジェームズ・ウェッブに「フライトの順番を変えるぞ」(I'm thinking of changing the order of flight assignments!)と言われるシーンを想わせるけれど、グレンがウェッブに You’re way out of line. と逆ネジを喰らわす(←セリフは後先ながら)のとは違い、サーナンはクラフトの言うことを大人しく聞く―マーキュリーの頃とは宇宙飛行士の気質がやや様変わりしてきたような。(グレン個人が特別に偉そうだったにしても)
 
余談  2
 
シュミットがアポロ17 のクルーに選ばれたと TV ニュースで知った地質学チームの仲間がお祝いに来ると、どうしたことか本人は寝耳に水で、まだ NASA から何のお達しもない―その時のジョークが NASA stands for "Never Absolutely Sure of Anything." なるほど NASA では何も絶対確実じゃないと納得させられますが、この吹き替えが―
 
NASA は何事も先走らずの略だからな」
 
と、ちゃんとシャレになった巧い訳を当てていて、こちらも(より)納得させられます。