独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3469】

 

>アポロ 17 の LMP を外された末の

 

ジョー・エングルは(理不尽なドタキャンで)アームストロングに次ぐ(2人目の)X-15 パイロット/ムーンウォーカーになりそこねた―むしろ、その(エングルには悲劇でしかないドラマチックな交代劇の)おかげで ヒューストン vs エドワーズ  の結末が(理路整然なまでに)鮮明になったわけで。

 

《過去レス復元コーナー》

 

その 973

 

アポロ14 のバックアップはジーン・サーナン(CDR)、ロン・エヴァンス(CMP)、ジョー・エングル(LMP)、そしてアポロ17 のプライム・クルーはジーン・サーナン(CDR)、ロン・エヴァンス(CMP)、ジャック・シュミット(LMP)―つまり、月着陸船パイロットのジョー・エングルがジャック・シュミットに替えられた。

 

これは実に象徴的な感じがする―と言うのも、エングルはエドワーズで X-15 を飛ばしていたテストパイロット、対しシュミットは(テストパイロットなどとは無縁の)一介の地質学者なのだから。

 

所謂ライトスタッフをテストパイロットに特有の資質(←トム・ウルフの本来的な定義)だとするなら、絵に描いたようなテストパイロットのエングルが外され、テストパイロットでも何でもないシュミットが選ばれたということは即ちライトスタッフの終焉の始まり―エングル個人のライトスタッフ云々ではなく(ちょっと大げさながら)時代精神としてのライトスタッフの終焉の始まり(もはやライトスタッフの時代ではない)を象徴しているという気がしてしまうわけです。(その2918参照)

 

 

その 975

 

生憎なことにエングルは astronaut wings ではあっても地質学者ではなかった―それゆえ(更なるキャリアアップを期して X-15 を見限り月を目指したのに)いよいよの間際に待望の月ミッションを外されてしまう。

 

哀れエングルの落胆は酷く、こんな目にあったらベッドで悔し涙を流すか、さもなきゃミッションを完璧にサポートしてやるしかない("when something like this happens, you can do one of two things. You can lay on the bed and cry about it . . . or you can get behind the mission and make it the best in the world.")と冗談めかして体裁つけるのがやっとで、むろんエングルのしたことは後者だけれど、おそらく前者も(?)と容易に想像される。

 

一方、地質学者だったジャック・シュミットはジェットパイロットの資格を問われることなく(どころかフライト経験からして皆無で) scientist-astronaut に採用されたにも拘らず、いざ入ってみると当然のように pilot-astronaut であることを要求され(everybody in the Apollo spacecraft really needed to operate as a pilot-astronaut as well as whatever else they might have been in their previous life.)、まずは Williams Air Force Base に送り込まれて 53、4 週の訓練(Undergraduate Pilot Training Program)でビシビシ鍛えられる羽目に―その間、まざまざと空軍パイロット教習生のクォリティと教官のプロフェショナリズムを思い知らされたと尋常ならざる体験を語っております。 (シュミットは civilian にして Air Force jet pilot wings を受けた初めての例となったらしい)(その3243参照)