【誰にともなしに、独り言レス―その2890】
そのジョー・ウォーカー Joe Walker がモハベ砂漠(Rogers Dry Lake bed)に辛うじて着陸してきた X-15 のアームストロングに "You okay?" と気遣うのだけれど、そこに何と(いささか場違いふうな)チャック・イェーガーが登場してー
“Kid’s a good engineer, but he’s distracted.”
“Three mishaps in three months. Bikle should ground him before he hurts himself.”
と(いかにもな)憎まれ口をきく。
むろん脚色シーンながら実際イェーガーはインタビュー(1991)で―
“Well, Neil was a pretty good engineer. He wasn't too good an airplane driver.”
と語っておりますね。
関連レス―
その1070
参考 3
仮にアームストロングが空軍パイロットだったなら、この T-33 泥沼事件は(エドワーズで)事件として取り沙汰されなかった(>基地にもちかえられ、昔かたぎのパイロットたちはその話を楽しんだ なんてことはなかった)気が大いにする。
イェーガーが話を面白おかしく(殊更 アームストロングを笑いものに仕立て上げて)吹聴したのだとしたら、頭で操縦する(パイロットと言うより)エンジニアのアームストロングがタイプ的に気に入らなかったということもさりながら、アームストロングが civilian(NACA/NASA)だったこと(朝鮮戦争では海軍所属)が多分に関係してるんじゃなかろうか。
LLRV 墜落事故にしてもアームストロングが空軍パイロットだったなら、案外 あのデイヴ・スコットの F-104 奇跡の脱出事件と全く同様に、イェーガーはアームストロングを激賞していたかもしれない(いや、激賞していたに違いない)とさえ思える。
その1071
アームストロング本人が口にしているのかどうかは知らないけれど、アームストロングの伝記「ファーストマン」("First Man:The Life of Neil A.Armstrong" James Hansen)はイェーガーの NF-104 の墜落を(「ザ・ライト・スタッフ」及び「ライトスタッフ」の描き方を完全否定して)あくまでも操縦ミス(Yeager's pilot error)としているとか―ま、そう聞かされても別に驚きゃしませんが。 (全く一人よがりな観点から NF-104 はイェーガーの screw the pooch だと先刻承知してるので)
にしても、いったいアームストロングの伝記に(何の関係もなさそうな)イェーガーの NF-104 を(あれは操縦ミスだと)わざわざ論う必要があるのか?
読んでもないのに(憶測で)言わせてもらえば、畢竟はアームストロング = NASA サイドからの(イェーガーにイマイチ・パイロットと侮蔑されたことや、NASA の宇宙計画を Spam in a can などと揶揄されたことへの)意趣返しとしか思えない。
もしそうなら、イェーガーを貶めようとして却ってアームストロングを(も)貶めてるような気が… (やり方が cool じゃないし)
余談
残念ながらイーストウッドは「ファーストマン」の映画化の権利を手放したそうで、このイェーガーについての部分がそうさせた一因ではなかろうかと勝手に想像したりする。