独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3260】

 

その1472~1473 (2014/ 1/23~28)

 

The Red Baron(2008 ドイツ)を YouTube で(一応チェックしとこうと)ざっと見てみたら、音(音楽)や映像なんかも意外に悪くない作り―言うまでもなく、映画ですから(面白おかしく)作ってある(例えば、あのロイ・ブラウン大尉が先にレッドバロンから撃墜され命は救われるという因縁話になっている)のだが、さして作為的な厭らしさは(ざっとしか見てないせいか)感じなかった。

 

ところがですよ、予告編の謳い文句(決め台詞)が―

 

「歴史の真実を完全映画化」

 

などと臆面もなくアピールするので呆れて(こっちが恥ずかしくなって)しまう―そんなウリに効果があるとも思えんし。

 

ただ、1917年7月に頭を負傷してレッドバロンの人(人生観・戦争観)が変わるようにストーリーが展開するのは(それなりに)史実を意識しての作りなんだろうから、そこは得心できますね、わたしとしては。

 

 

レッドバロン(Manfred von Richthofen)は Der Rote Kampfflieger(1917 刊)で―

 

es kommt eben nicht auf die Kiste an, sondern auf den, der drinnen sitzt.

 

と明言していて(The quality of the box matters little. Success depends upon the man who sits in it. と冗長に英訳されている)、いかにもライトスタッフ的な(ツボを心得た)言種でよろしいじゃないですか。

 

あくまで機(die Kiste 箱 飛行機)ではなく、それを操縦する「腕次第」宣言―

 

映画「ライトスタッフ」でパンチョの店でのディーク・スレイトンとマージのやりとり、原作の元ネタでは―

 

after dinner one night they mentioned that the departed had been a good man but was inexperienced, and when the malfunction in the controls put him in that bad corner, he didn't know how to get out of it.

 

Every wife wanted to cry out: "Well, my God! The machine broke! What makes any of you think you would have come out of it any better!"(The Right Stuff)

 

ある晩夕食後彼らは言った。あいつはいいやつだったが、腕が未熟だったよ。だから、操縦装置の作動不備で窮地に追いこまれたとき、そこから抜け出す方法を知らなかったんだ。

 

細君たちは誰しも叫びたかった。「何を言ってるのよ。飛行機、、、がこわれたんでしょ! 自分なら、、、、もっとうまく切り抜けられただろうなんて、どうしたらそんなことが考えられるの!」 [中公文庫]

 

 ライトスタッフたるものは「腕次第」主義を標榜せずにいられないのである。