【誰にともなしに、独り言レス―その3193】
石部金吉金兜、ミスター・クリーンマリーンことジョン・グレンの盤石たる誠実さ・謹厳実直ぶりがアニーとセットで描かれる―より正しくはグレン(エド・ハリス)あってこそのアニー(メアリー・ジョー・デシャネル)の存在感が明確に提示される。
この構図はイェーガーとグレニス、クーパーとトゥルーディ、グリソムとベティらも同様であって、あくまで肝心なのは(前提される)グレン、イェーガー、クーパー、グリソム―こちらのメインの描き方が弱いと(いきおい、セットである)アニー、グレニス、トゥルーディ、ベティのエピソードは余分な付け足し(a redundant component)程度に堕する。
そうなっていないがゆえに「ライトスタッフ」は名作なわけで、逆に言うと The Astronaut Wives Club の弱さは即ち(メインではないが前提としての)astronauts の描き方の弱さ(薄さ)であり、主人公の wives らに一義的な責はない。
まぁ、「ライトスタッフ」における完全無欠のジョン・グレン=エド・ハリスに比べるのは酷ではあるけれど。
関連レス―
エド・ハリスとキャレブ・デシャネル(cinematographer) 撮影秘話
(An Oral History of the Epic Space Film The Right Stuff | WIRED)
その1850~1851
酒飲みだったエド・ハリス―
Ed Harris : Lance Henriksen and I were at the Holiday Inn at Fisherman's Wharf. I had a couple beers and I got on a luggage cart. I was skateboarding on it or scootering it out through the front doors. It went off a curb and I went flying, smacked my face on the ground. I had a major black eye—and had to do a scene where I was in my room at night. And so Caleb had to do a thing where the moon's coming through a window lighting up one side of my face and the other side of my face is totally in the darkness, because I was really banged up.
Caleb Deschanel : Ed shows up, and I'm like, what am I going to do? The set was built, and I actually had to have them reverse it so I could have the light coming in from another side so you couldn't see his black eye.
Ed Harris : Phil suggested maybe I was drinking too much. I think he was probably right.
《過去レス復元コーナー》
その 11 (2003/ 4/14)
エド・ハリスは周知のとんだ呑んだくれでありますが、先のインタビュー番組で「ライトスタッフ」撮影時の話をしてまして―
ある時、酔っぱらって顔の右側を怪我して腫らしてしまったんで、左側だけ映して撮ったところがあると。
これは、たぶんあそこですね。
またもやソ連(チトフ)に先を越され、慌ててジョン・グレンにゴーサインの電話がかかってくる―
部屋は薄暗く、顔の左半分だけが月明かりに浮かんで見え、顔の右側を影にしたエド・ハリスは、電話にきっぱり―
100 パーセント、準備はできている (I said we're ready. 100 percent.)
って、50 パーセントでしょ、その顔なら―と突っ込みたくなるシーン。
いかにも(定評のデシャネルだけに)意味ありげに陰影を使ってると思わせといて、実は単なる酒にまつわるドジ話だった。
エド・ハリスがご本人に会ったのは、折りしも大統領選挙(キャンペーン)の只中で、「ライトスタッフ」のことは(噂に反して)何もご存じではなかったそうですよ、オハイオの上院議員は。