【誰にともなしに、独り言レス―その3049】
字幕の誤訳 関連―
その1952～1958
集中講義 ： 高度 104, 000フィート 問題
その707 （2005/ 8/13）
1963年12月10日、イェーガーの NF-104 は高度 104, 000フィートで操縦不能に陥った―そうイェーガー／サム・シェパードも（one hundred four thousand と）言ってるように聞こえるし、高度計（120,000フィートまで）は 10 を超えたあたりを指してます。
こういう低レベルの明らかな誤訳は、ありがちな勘違いと言うより、もともとの英語台本が間違ってる（つまり台本の誤植）と考えたほうが自然かもしれない―というのも、その前にイェーガーは挑戦すべきソ連の持つ高度記録が 11 万 4000フィート（NHK は 3 万 4200メートル）だとリドリーと話してるのに、失敗したイェーガーがそれ以上の数字を出す（つまり記録更新したことになる）のは全く筋が通りません。（←そこがおかしいと気付かないのもオソマツですけど、そんなことまで理解しては訳してないんでしょうね）
参考
それに、原作の NF-104 の箇所に「弧の頂点に近づき無重量状態となる…十万四千フィート」とあって、容易に照合できるはず―もっとも、F-104 にロケット・エンジンを装着した NF-104 は、主エンジンとアフターバーナーで高度六万フィートに達し「そこでロケットに点火すれば十二万ないし十四万フィートの高さまで昇れる」というクダリもあるにはある。
※ スクリプトには間違い（誤植）なく 104, 000 フィート と記してある
104,000 FEET. He pushes another control. NOTHING HAPPENS. HE PUSHES again. NOTHING. AGAIN. NOTHING AGAIN. Something floats by, weigtless.
YEAGER (talking to his horse)
Just a little bit more. I know you got it in ye… Another few thousand feet… Just gimme a little more… a little more…
参考の参考―1
高度十万フィート…ロケット・エンジンを切る。それでも上昇していく。g の力が消えていき…前方に投げ出されるような感覚をおぼえる…。弧の頂点に近づき無重量状態となる…十万四千フィート…。全く音のしない世界だ…。地上二十マイル…。空の色は黒に近い。[中公文庫]One hundred thousand feet… He shuts down the rocket engine. He's still climbing. The g-forces slide off… makes you feel like you're pitching forward… He's weightless, coming over the top of the arc…104,000 feet… It's absolutely silent… Twenty miles up… The sky is almost black.
参考の参考―2
もう一つが NF104 で、F104 の機尾部の排気ノズル上部にロケット・エンジンを装着したものだ。このロケット・エンジンの燃料は過酸化水素と JP4 で、六千ポンドの推力が出せる。超再燃焼装置（アフターバーナー）のようなものだ。主エンジンと通常の再燃焼装置（アフターバーナー）でまず高度約六万フィートに達し、そこでロケットに点火すれば十二万ないし十四万フィートの高さまで昇れる。[中公文庫]The other was the NF-104, which was an F-104 with a rocket engine mounted over the tailpipe. The rocket engine used hydrogen peroxide and JP4 fuel and would deliver 6,000 pounds of thrust. It was like a super-afterburner. The main engine plus the regular afterburner would take you to about 60,000 feet, and then you cut in the rocket, and that would take you somewhere between 120,000 and 140,000 feet.
