【誰にともなしに、独り言レス―その2991】
いよいよ打ち上げ当日、ホワイトルームでスーツアップを始めるクーパーらのところへギュンター・ウェントが顔を出す―
ク : I vonder vere Guenter vent!
ウ : それが口癖のウォーリーも辞めてしまった
ク : おかげでサンドイッチの差し入れもない
ウ : サンドより、ほれ 似合いのジ・ホットドッグ― Go, Hot Dog, go!
ク : そのガスもいないし、俺も最後…
ウ : 残りものに福があるんだろ (I guess they're just saving the best for last.)
ク : だといいが… にしても、こりゃ 黒こげだ
ウ : こんがり焼いてやった 月で腹こわさないように
ク : パンチョの店が月に移転してりゃなぁ
ウ : もちろんステーキをゴチになる―1/6 のボリュームの
ク : …このウェントドッグで我慢しとくか
ウ : Wendt, Hot Dog, went!
参考
Ah, Guenter Wendt! I vonder vere Guenter vent. (I wonder where Guenter went.)
この字幕が―
「ヴェント先生」 「ここにいたのか」
と、ひとつもジョークらしく(ジョークだと分かるようには)訳されてない。
「先生」がウェントをからかったニュアンスのつもりなのか(白衣なのでホントに医者か何かと勘違いしてるのか?)もしれないが、I wonder where Guenter went. に「ここにいたのか」などと簡潔な(こなれた)訳を当てられると、字幕を見てる者はジョークの気配すら感じられず、このセリフに立ち止まることなく素通りしてしまう。
Guenter Wendt が誰で、なぜ(ラヴェルが) "I vonder vere Guenter vent. " と German-English accent の意味不明なセリフを言ってるのか、先刻承知してなければ(そんな人は 当然 ごく限られてるわけだし)ジョークだとは全く理解できないのであるから、こなれた(すんなりした)訳は却って不親切で(いわばバリアフリーが)アダにもなろう。
「人類、月に立つ」においては「ギュンターはどこに行った?」と辛うじて(たまたま?)ギュンターと行ったーの語呂合わせふうになっていたけれど、わざと不細工・拙劣に(例えば)「ギュンターがここに来(ゅん)たー」とでもしたほうが何か駄洒落を言ってるんだなと気づかされて(少なくとも素通りしないだけ)いいんじゃなかろうか。
極端な話、無理に巧く訳そうとせずとも「アイ・ヴォンダ・ヴェア・ギュンター・ヴェント」と(そのまま)カタカナ表記してもらえば、いったい何のこっちゃ?と(わたしなら)調べる気になる(調べやすくもある)―ま、それじゃ字幕(にしたこと)にならんでしょうども。