独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3199】

 

その 501~502     (2004/11/ 1~2)

 

マーキュリー・アーティストを自認するシシ・ビビィがマーキュリーのラスト・ミッション(ゴードン・クーパーのフェイス7)に関わらなかったのは、単に彼女が遠くカリフォルニアに移ったからではあるが、要するに(わざわざ、そこからケープに出向いてまでカプセルにロゴを描きたいという)熱意を失ったと言うか、すったもんだした NASA に嫌気がさしたからじゃないでしょうかね…

 

と言うのも、彼女は現地でしかできないカプセルのロゴ・デザイン(←発射台の天辺で直に手描きするわけだから)の他に、よそでもできるはずの大事なジョブをも放棄してるから。

 

と言うのは、ジョン・グレンは何か記念になるものを宇宙に持っていって、家族とかに(ディー・オハラにも)プレゼントしたいと考えてたので、それならとシシがフレンドシップ7のロゴ・デザインを刻んだ金のメダル medallion を 12 個あつらえて(←知ってる jeweler に頼んで)やってます。

 

カーペンターとシラーにも同じようにしてやってるので、ホットドッグにしても、せめてフェイス7のロゴ・デザインを刻んだ金のメダルを彼女に誂えてもらいたかったに違いないと思うが…

 

 

シシは(フレンドシップ7、オーロラ7、シグマ7の)この金のメダルがパッチの先駆けとなったと考えていて、もしもミッションパッチのことだとしたら、それは思い違いか。

 

ミッションパッチは総じてクーパー・パッチ "Cooper patch" と呼ばれ、ホットドッグとピート・コンラッドジェミニ 5 が発端であり起源だから。

 

ただ(例えば)「ゴードン・クーパー物語」なら、フェイス7の時に金のメダルを作ってもらえなかったことに絡めて、ジェミニ 5 で(それにヒントを得て)自らミッションパッチを発案したという話の流れにしても辻褄は合いましょう。

 

と言うか、いっそのことシシ・ビビィとディー・オハラの二人を(むろん、裏ライトスタッフのジャッキー・コクランとジェリー・コッブとは違ったアプローチで)メインに据えた映画も面白そう―そのタイトルも Cece & Dee (サブタイトルは Mercury Ladies and Astronauts ) 、もちろん マーキュリー7 が脇で総出演てことで。

 

参考文献 : "Behind The Scenes"  with Cece Bibby and Dee O'Hara

 

 

その2630

 

「ドリーム」Hidden Figures にジョン・グレンのカプセルに Friendship 7 とペインティングするシシ・ビビィが一瞬だけ映る―扮するはグレン役(Glen Powell)の実母(Cyndy Powell)らしいので楽屋オチに使われたにしても実際の写真のままの雰囲気でよろしいね。

 

が、如何せん―肝心のジョン・グレンが全然(100% エド・ハリスに)似てないのがなぁ…

 

その時の Cecelia "Cece" Bibby の証言(The Adventures of Cece Bibby: On and Off The Launch Pad)―

 

"Glenn wanted 'Friendship 7' done in script. He wanted it applied by hand and not by stencil and a can of spray paint. The first trip out to the pad was to find the area where I was to do the painting on the spacecraft and to measure, because I [wanted] to do a large cartoon so I could trace it onto the capsule. I would use chalk to transfer my design to the capsule."

 

"When I got up to the top of the gantry I encountered the Pad Leader [Guenter Wendt], who informed me that women weren't allowed up there. I was told to leave immediately. I told him he'd have to take it up with John Glenn and I went ahead and did my job."

 

こんなシシ・ビビィとギュンター・ウェントのシーンを想像するのも楽しいじゃないですか。

 

 

「こんな映画にこんな人が…」

 

Friendship 7

 

「ドリーム」でジョン・グレンのカプセルにロゴをデザインする シシ・ビビィ Cece Bibby の短いシーンがあるが、実際にはロケットの発射台 gantry の天辺まで上がって描くわけなので、そこにレディースが立ち入ることすら禁じられていた当時の(シシ・ビビィが後でジョン・グレンから話を聞かされて推測した)グレンとボスのやりとり―

 

John: "I want the artist who designed that to put it on by hand."

 

Boss: "Well, that's a woman."

 

John: "So?"

 

Boss: "She'd have to go out to the launch pad and up to the top of the gantry."

 

John: "Is she handicapped in some way?"

 

Boss: "Well, she's a woman." (To boss being a woman was a handicap.)

 

John: "Is she afraid of heights?"

 

Boss: "I don't know...but she's a woman."

 

John: "Why don't you find out from her whether she has some objection to going up to the top of the gantry to paint this for me. Let me know what she says."

 

あのワンカットに(肌の色以前に)レディース差別の含みを持たせてるとまでは思えないけれど、シシ・ビビィはフレンドシップ7の件でクビになりかけたりさえしたんですよ。

 

まあ「ドリーム」は映画としての脚色(誇張)が多々あるにしても、そんな時代だったということでしょう。