【誰にともなしに、独り言レス―その2925】
つぎはぎ細工 関連レス―
その1245―
従って、明らかにトゥルーディが持ち出す「1/4 の確率」(a one in four chance)とは原文の「23%、ほぼ 1/4 の確率」(a 23 percent chance, nearly one chance in four)であって、その675で―
わたしが(その57で)トゥルーディの言う 1/4 の確率の根拠を ディーク・スレイトンとマージがパンチョの店で言い争っていた時のセリフ―
62 men in the last 36 weeks
に求めてるのは、「ライトスタッフ」では そのデータしか示されてないからで(←フィリップ・カウフマンが それを文字通り計算した上のことなのかどうかは不明ながら)いやしくも、ひとつの自立した映画である限り、原作を知らなければ分からないセリフなどあってはならない―と、ひとえに考えるゆえであります。(←と言うのはウソで、単に原作を知らなかったからなんですけど)
参考
36週に 62人だから 4 日(4 度の訓練中)に 1 人(1 度)の割合になる( 62/(36×7) ≒ 1/4 )という意味で 1/4 の根拠としたんですが、トゥルーディの言う「夫が仕事から戻らぬ確率が 4 度に 1 度」のもとネタの a 23 percent chance, nearly onein four とは、あくまで統計上の端的な確率(死亡する可能性)であり、原作訳がそれを「つまり四人に一人近く」と言い換えているのも 厳密には(同じことにせよ)訳としては間違い…とは言い過ぎか。
と書いたように、トゥルーディのセリフでも原文どおり端的な(ある個人が死ぬ)確率として「1/4」と言ってるのに、原作訳が「四人に一人」としているのが(重箱の隅ながら)ちょっと気になったわけです。
その1246―
しかも「23 %」については、その674で―
トゥルーディは 「彼女達に尋ねたいわ 夫が仕事から戻らぬ確率が 4 度に 1 度(one-in-four chance)ならどうするかと」(NHK は 「彼女たちに聞いてみたいわ 夫が仕事から戻らぬ確率が 4 度に 1 度だったらどうするか」) と言います。
このセリフは原作の―
もし殉職の割合が二三パーセント(a 23 percent chance)、つまり四人に一人近く(nearly one in four)が職務のために死ぬとしたら―(中略)―その仕事に踏みとどまるものが何人いるだろうか。
と書いたように、この数字は―
In time, the Navy would compile statistics showing that for a career Navy pilot, i.e., one who intended to keep flying for twenty years as Conrad did, there was a 23 percent probability that he would die in an aircraft accident.(The Right Stuff)
そのうち海軍で統計を取るようになったが、それによると、海軍の職業軍人パイロット、言いかえれば、ピート・コンラッドのように向う二十年間飛び続けるつもりの軍人パイロットの場合、飛行機事故で死ぬ確率は二三パーセントである。[中公文庫]
と説明されてもいる。