独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3517】

 

スワイガートは a test pilot/ astronaut/ politician(/ bachelor)としての短い生涯(August 30, 1931~December 27, 1982)だったわけだけど、やはり不運だったとしか言えない―コロラド州選出下院議員に就任する一週間前に死去(bone marrow cancer)。

 

スワイガートがアポロ13 のバックアップのままだったら(マッティングリーが交代させられず飛んでいたら)アポロ16 の CMP になってたはずで(実際そのローテーションどおりマッティングリーがアポロ16 で飛んだし)、当たり前に月着陸ミッションを成功させていただろう。(アポロ13 に比べりゃ何ら印象には残らなかったにせよ)

 

せっかくスレイトンが決めてくれていた ASTP(Apollo-Soyuz Test Project)の CMP も(切手スキャンダルの流れ弾にやられた感じで)取り消し処分になってしまった。(その2988、3331参照)

 

ガス・グリソムはマーキュリーでリバティベルを沈めて惨憺たるものだったが、ジェミニの(今度は沈みませんよとばかりの)モリーブラウン Unsinkable Molly Brown(その3084参照)で失地回復し、ついには月着陸の First Man にさえなりえたと思われたのにアポロ 1 の火災事故―あまりに痛ましくも悲運の最期だった。

 

ついてない宇宙飛行士ツートップの二人、実はスワイガートのアポロ13 とグリソムのアポロ 1 には指摘するのも辛くなる因縁めいた関連がある。

 

「アポロ 13」でスワイガートが節電のため power-down していた司令船の電源を再び入れる際のセリフ(これショートすんじゃね?)―

 

Ken, there's an awful lot of condensation on these panels. What's the word on these things shorting out ?

 

スワイガートは水滴まみれのスイッチパネルがショートして発火したりしないかビビり腰で操作するが、何事もなく司令船の電気系統は復活―

 

ここですよ、冒頭のアポロ 1 の火災事故シーン(その2996参照)にも意味付けしうる(意図されていないとしても深読みすべき)ポイントは。

 

あの地上テスト司令船火災事故の後、NASA(North American)は司令船 Command Module 内部を(結露でショートなど起らないよう)全面的に不燃処理の fire-proof 仕様に見直していて、でなけりゃアポロ13 のオデッセイ(CM)は再突入以前に火だるまになってた可能性が嫌と言うほどあったろう。

 

スワイガートの司令船(スリープ状態からの)power-up シーンはアポロ月ミッションがアポロ 1 の犠牲の上に立っていることを如実に示してくれているってことです。