独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3237】

 

その 970~972

 

以下、あやふやな想像(←確たるウラが取れてないので)―

 

アポロ13 は 1970年 4月に打ち上げられたが、当初(アポロ10 終了時)のスケジュールではアポロ11、12、13 までは 1969年内に予定されていたようにあることからすると、アポロ13 はアポロ11、12 が立て続けに失敗した場合のケネディの公約(60年代中に月に行くよ~ん宣言)を守る最後の砦と位置付けられていたのかもしれない。

 

だとするなら、アポロ10 のバックアップだったゴードン・クーパーが(ローテーションどおり)アポロ13 を飛ぶというセンは(どう逆立ちしても)ない―たとえクーパーが(スレイトン或いは NASA の評価とは違って本人が信じるように)月ミッションに不適格じゃなかったとしても、より遥かに適任の人材(right staff ?)が幾らでも控えてたのだから。

 

仮にアポロ11、12 が失敗した場合、最後の砦たるクルーの筆頭候補は(個人の意向はどうであれ)アポロ10 のトム・スタフォード、ジョン・ヤングジーン・サーナン組で決まり―何しろ、このクルーは余裕で(それこそ月着陸寸前までの―ウソかホントか、その気になれば着陸できたが月から打ち上げて戻る燃料を積んでなかったので降りなかっただけだという)完璧なドレス・リハーサルを実際にやってのけてる。

 

そして次善の策として、アポロ11 のバックアップだったジム・ラヴェル(←アポロ 8 で月軌道を飛んだ)をアポロ14 からアポロ13 に繰り上げる、ではなかったか―このシフトがまさにシェパードの強引な割り込みに対する NASA の処置に他ならないことに気付かされるが、どうでしょう?

 

そう考えれば、アポロ13 のコマンドが結局(クーパーでもシェパードでもなく)ジム・ラヴェルに落ち着いたことに何ら不思議はない。 (仮にラヴェルがダメでもマクディビットという切り札もあるのでアポロ13 にクーパーの出る幕は全然なかったはず)

 

 

ラヴェルのセリフ―

 

「ミッチェルは信頼できる あいつがシェパードを上手くリードしてやれば大丈夫だろう それでもルーキーが 3 人で行くようなものだ」(Mitchell makes more sense. He'll get Shepard up to speed on the LEM or cover for him but it's gonna be like havin' three rookies up there.)

 

アポロ14 のクルーはミッチェルとルーサが初フライト、ベテランのシェパードも軌道飛行では確かにルーキーに違いなく、仲間内で "the three rookies" とからかわれ不安視されてもいたのは事実だけれど、サーナンとミッチェル―

 

C 「シェパードと飛んで不安じゃないのか?」You don't have a problem flying with Shepard ?

 

M 「ああ、どうして? フライト・ドクターもディークも問題ないって言ってるんだぞ 悪いか?」(Why should I ?  Flight surgeons don't have a problem. Deke doesn't have a problem. Do you ?)

 

C 「ちょっと訊いただけじゃないか」(Take it easy. I'm just asking you.)

 

M 「応えただけだろ」(I'm just answering you.)

 

C 「アラン・シェパードか…」(Alan Shepard…)(互いに溜め息まじりの笑い)

 

というやりとり(それだけのシーン)には少なからず違和感がある―シェパードのバックアップだったサーナンの実際(シェパードに対する態度)が全然描かれてないので。

 

 

サーナンはシェパードとの親交ぶりを単なる仕事上の付き合い(a working relationship)などではない("It was a real personal relationship. We just got to be very close on that mission.")と明言している。

 

が、そんなサーナンも敵は(おいそれとは人を近づけない)悪名高き icy Commander、やはり当初は声すらかけづらく("In the early days, when I first got in the program, I was afraid to say hello to Al.")、きっとスレイトンはシェパードのバックアップをさせることで自分を試してるのだ、これはチャレンジなのだと考えもしたらしい。("I thought maybe Deke was thinking, 'If he can back up Alan Shepard, he can back up anybody.'" "I thought it was going to be a real challenge.")

 

そこでサーナンはシェパードのところへ(アポロ14 のコマンドを祝し、そのサポートができ光栄である旨)丁重な挨拶に行き、肚を割ってバックアップの準備はできてること、もしもの時は自分のほうが上手く やれることなど('Alan, if you have a problem, I want you to know I'll be ready to take your place and get the job done.  I'll be able to do the job better than you can.')を大胆にして率直に申し出た―内心では空恐ろしい(hellish)事態になってしまうんじゃないかとビビりつつ。

 

すると、それまで仏頂面していた icy Commander は(あに図らんや)ニンマリ顔で手を差し出し 'Geno, we're going to have a great time.' と打ち解けてくれた(つまり smiling Al になった)そうな。 (←「ライトスタッフ」におけるスコット・グレンの顔が浮かぶ)(Gene Cernan: Always Shoot For The Moon Part II)