独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3235】

 

その 879 (2006/12/31)

 

For Miles And Miles はシェパードが月面コースで 6 番アイアンをナイスショット(←最初はダフッて 2 球目)した際の "miles and miles and miles" でラストはこのシーンで締め括る。

 

そう言えば先頃(11月)、国際宇宙ステーションの船外でロシアの飛行士が(やはり 6 番アイアンで)ティーショットした映像を TV で流してましたね―どういう意味があるのか知らんが。

 

月の上のムーンショットだからこそ夢があり絵になるのであって、宇宙ステーションの無粋な骨組みから漆黒の闇に向って打ったところで何の趣もない。

 

ま、それに因んで久々に(とっくに忘れられた存在だったであろう)アラン・シェパードが引き合いに出されたのは純正ライトスタッフ・ファンとしては喜ばしいけれど。

 

 

その 964~965

 

ジム・ラヴェルとフレッド・ヘイズがシェパードのアポロ13 直訴の話をするシーン、そのクルーにジム・マクディビットの名前が出たがマクディビットのほうが断った―「あいつ、シェパードにはまだ早いと(スレイトンに)言ったらしい」(He told Deke he didn't think Shepard's ready.)と笑う。

 

アポロ 9 (←地球軌道ミッション)の CDR を務め、アポロの program manager だったマクディビットは(いくら月に行けるにしても、船長さんならともかく今更シェパードの下なんかで誰が… という気持ちだったか)自身への打診を蹴り、どころかシェパードのミッション(アポロ13)そのものに(Shepard wasn't up to speed yet と)すげなく 反対している。

 

参考

 

シェパードの証言―

 

Shepard : Well, of course, when NASA finally said I could fly again, I went to Deke and said, “We have not announced publicly the crew assignment for Apollo 13. I have a recommendation to make.” I had picked two bright, young guys—one of them a Ph.D., and one of them a heck of a lot smarter than I was—and made up a team to go for an Apollo flight. I said, “I would like to recommend that I get Apollo 13, with Stu Roosa as command module and Ed Mitchell as lunar pilot.”  Deke said, “I don’t know. Let’s try it out.”

 

(Oral History transcript Alan B. Shepard, Jr. – 20 February 1998)

 

この I would like to recommend that I get Apollo 13 という(シェパードにしては)むしろ控えめに感じる言い回しは、もっと単刀直入に Shepard kept quiet about the operation until he was sure it was effective, and then went into Slayton's office to tell him -- not ask him, tell him: "Get me a flight to the Moon." ([25.0] The Last Men On The Moon – Vectors)が実態だったのは想像に難くない。

 

 

わたしの単なる印象では、仮にスレイトンがシェパードを(或いはシェパードが自分で自分を)月ミッションに割り込ませなくても、ゴードン・クーパーアポロ13 はなかった―と言うか、クーパーはシェパードのカムバックとは関係なしに(それが月ミッションだろうと何だろうと)もはやスレイトン方式のローテーションそのものから外されていた気がする。 (←ごく個人的な印象では、たとえイェーガーに学歴があったとしても決して宇宙飛行士には採用されなかった気がするのと似た感じ)

 

クーパーは日頃の勤務態度がよろしくなく(car and boat racing にかまけて宇宙飛行士は二の次)、それでスレイトンは躊躇なしにアポロ13 をシェパードに代えたとも言われるが(たぶん、ハナから個人的に見限ってもいた)、シラーに「アポロは次のチームのミッションだ」(You are a Mercury astronaut. You might have a Gemini. But Apollo, that’s really the next team.)と断言したスレイトンにすれば、もとよりクーパーにはアポロ10 のバックアップを務めさせたにしても実際の月ミッション(スレイトン方式ではアポロ13)はないわけで。

 

しかし、そうであれば尚更(ラヴェルの主張どおり) じゃあ、一体 シェパードの月ミッションは何なんだと大いに疑念(と疑惑)が生じるところであります。