独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3236】

 

その 966~969

 

初顔合わせした 2 期生の 9 人がジェミニのローテーションについて話すシーン、トム・スタフォードの「どうせ先に飛ぶのは第 1 期の  7 人 だろ」(The original seven's gonna fly way before any of us new nine.)の見解にピート・コンラッドがそれでも「ディーク・スレイトンは地上勤務になったし、カーペンターは過去の人、ジョン・グレンNASA を離れて大統領を目指すらしい」(Deke Slayton runs the office. Carpenter's history. John Glenn's leaving NASA. He's gonna run for president someday.)と既に 3/7 が脱落していると指摘する。

 

加えて、じきにシェパードも地上に回され、ついにはグリソムが事故死―ようやくアポロの有人ミッションにさしかかった段階でマーキュリーの 5/7 は除外されていて、残るはシラーとクーパーの二人だけ。

 

そして前述したように、基本方針ではマーキュリー飛行士はアポロ(月ミッション)の蚊帳の外―とすると、もともと(アクティブ態勢にあった二人を含む) 7/7 全員がローテーションからは(原則として)外れているのであって、ならばなぜ シェパードの月ミッションは実現したのか― 

 

まあ、わたしなりの単純な推測(ないしは妄想)では、大雑把に言ってスレイトンの代償行為だったんだろうと思う。

 

 

実は、そのことをスレイトンは(「人類、月に立つ」において)あっさり白状している(と見れるシーンがある)―

 

「自分としてはマーキュリー7の誰かに月に降りてもらいたい」 (But I'd sure like to have one of the original Mercury astronauts still flying when Apollo makes that first moon landing.)

 

この(グリソムに打ち明けた)思いから窺い知れるのは、マーキュリーの誰にせよアポロ(月ミッション)のローテーションから外れてるにも拘らず、あえてマーキュリーの誰かに月に行ってもらいたい―それは単なる仲間意識でもあろうが(その内奥は)まさに飛べない自分の代わりに、ということではなかろうか。

 

そう話していたグリソムが消え、シラーは自ら降りたような格好だし、クーパーは不適格で使えない(使いたくない)…そこへ脱落してたシェパードの思わぬカムバック―自分の代わりに月に行けるマーキュリーの仲間(その時点での最適任者)が戻ってきたわけで、だとするとシェパードの月面第一声 It's been a long way, but we're here. について >この we は当然 Mercury astronauts のことと取りたいですね、純正ライトスタッフ・ファンとしては と、あえてナイーブかつロマンチックに解釈したけれど、かかる経緯・背景からして we は漠然と Mercury astronauts 全体と言うより(←せいぜいタテマエでしかない)就中 シェパードとスレイトンの二人に限定したほうが現実的ではあろう。 (←もっと現実的にシェパードと一緒にいたミッチェルの二人を指す―なんてのは当たり前すぎでつまらんので却下)

 

 

アポロ14 の LMP エド・ミッチェル Edgar Mitchell はアポロ10 のバックアップだった―つまり、アポロ10 のバックアップのクーパー(CDR)とアイズリ(CMP)は外されミッチェル(LMP)だけが通常のローテーションどおりアポロ13 のクルーになり、結局 シェパードの都合でミッションを繰下げられて(おかげでアポロ13 のトラブルをジム・ラヴェル組が被り)アポロ14 で飛んだ。 (アイズリはアポロ 7 の反乱のカドで既に干されていたに等しい)

 

そのミッチェルとて(たまたま)ルーキーだったがゆえにシェパードが自分のクルーにピックアップしたフシがあり、仮にミッチェルに何がしかのフライト経験があったら(アポロ10 のバックアップであっても)やはりローテーションを無視されていたような…

 

参考

 

ミッチェル本人の簡潔な概略説明―

 

Gordon Cooper, Donn Eisele, and myself backed up Apollo 10, and in the normal rotation of things, that presumably meant we would get Apollo 13.  Gordon retired at that point.  Alan Shepard wanted to fly, so he was assigned to 13 and asked for Stu Roosa and myself to fly with him.  And then when headquarters reviewed that, because Alan, due to his inner-ear problem, had been grounded for several years and they thought he needed more time in the simulators, more time to train before he went, so they suggested a switch, and we interchanged flights then with Jim Lovell's crew, which we weren't very happy about at the time, until it turned out they got the bad bird and we got the good bird. (Oral History Transcript Edgar D. Mitchell – 3 September 1997)

 

 

余談

 

ミッチェルは(ゴードン・クーパーにも劣らぬ)かなりの トンデモ系で、アポロ14 で月に向う途中(あくまでもプライベートな、つまり許可なく勝手に)宇宙から地球への ESP(テレパシー)実験をやっている。

 

この a secret telepathy experiment in space の結果は成功だったとも、逆に失敗だったとも洩れ伝わってるけれど、当然ミッチェル本人は成功だったと言い張っていて、失敗だとするのはデータの誤った分析(素人解釈)なんだとか。

 

打ち上げが 40 分遅れたせいで実験スケジュールがずれてしまい、ミッチェルが宇宙から送信する前に地球で受信したことになる(従ってテレパシーとは言えない)データなども、ミッチェルにかかると予知とか潜在能力とかで都合のいいように説明されるし、データが統計的に予想される的中率を異常に下回っていても、それにさえ肯定的な意味(←確率的に異常だから何らかの力が働いた証拠だとか何とか)を貼り付ける始末―ま、わたしには実験の名に値しない(およそ科学的態度には程遠い)としか思えないが…

 

トリビア : ミッチェルに扮するゲイリー・コールは「名探偵モンク」 Mr. Monk Meets the Playboy のゲストで登場し、シェパードに扮したテッド・レヴィン(警部役)と再び共演している―もちろん殺人犯。

 

>ワンサウザン

 

と言えば、先日 ちらっと 「バンド・オブ・ブラザーズ」 を見てたら、ビールの一気飲みをする際に(空挺部隊の仲間が)そのタイムを計っているのであろう one thousand! two thousand! three thousand!…  eight thousand! と囃し立てるシーンがあって(字幕は当たり前に「1000 2000 3000…」と直訳されていたが)我ながら賢いことに、これは(別に 1000 の意味などなく)秒数を正確にカウントするために thousand を付けてテンポを取ってるだけだと即座に了解しえた―以前にトピ主さんがレスされていたのを(我ながら賢いことに)ちゃんと憶えてたゆえ。

 

* 2001年(に立ち上げられた)ライトスタッフの旅―いつしか 2008年を巡航している…