【誰にともなしに、独り言レス―その3234】
その 377 ~378 (2004/ 5/10~11)
スヌーピーとかキャスパーとか、カートゥーン系のニックネームじゃないけど、ふざけたことにミッションパッチにデザインしてるのがあって、それはアポロ14 ―と言っても、アポロ14 そのものじゃなくて、そのバックアップ・クルーのミッションパッチに、ご存じコヨーテとロードランナー Wile E. Coyote and Roadrunner が使われてます。
そもそもバックアップ・クルーのミッションパッチなどというものからして(唯一これっきりで禁止されてしまったくらいに)全くもってふざけておりますが、その発案はアラン・シェパード船長のバックアップだったジーン・サーナン ―さすがは海軍…
参考
アポロで(即ち、現在までに)月に二回行った(うち一回は実際に月に降りた)のは二人だけ―アポロ10 で一緒だったジョン・ヤング(アポロ16)とジーン・サーナン(アポロ17)で、従って最初の月旅行のリピーターはヤング、最後に月に立っていたのはサーナンだということになってますね、あくまで今のところは。 (念のために言うと、ジム・ラヴェルも月に二回行くには行っている)
サーナンにかかると、栄えあるマーキュリー 1 番手のシェパードも、たったの 15分ちょっとのフライト経験しかないってんで(そんなの飛んだうちに入るかとばかりに)何とルーキー呼ばわり―かつ、年寄り扱いしてからかってます。
アポロ14 の(確かにメニエール病のため長いブランクがあったとは言え)大ベテランのシェパード船長以外の二人のクルーは、たまたま正真正銘のルーキーだったので、シェパード組を Three Rookies と揶揄し、自分たちバックアップ・クルーこそが First Team だと嘯く。(←もちろん冗談で)
そこでバックアップ・クルーのミッションパッチに、オリジナルのデザインをパロディにして―
白い髭をたらした老いぼれコヨーテが月を目指すと、そこには既に First Team であるロードランナーが(星条旗片手に)「遅かったね、Beep-Beep!」てな感じで立っていた
という、いかにも人を喰ったケッサクなのを作ったんですね。
そしてサーナンらは、その Beep-Beep patch を(2、30枚ばかりも)宇宙船(含む LM)の至る所に忍ばせて―無重力状態の船内のあちこちにフワフワ漂うとこを想像しては、大いにほくそえんだのでありました。
その 427 (2004/ 7/13)
そんなこんなでクーパーは月ミッションを外されて、その代わりにとスカイラブの最初のクルーに指名されるも、そんなもん誰がって感じで NASA を辞めちゃいましたね―「ライトスタッフ」で自分が言う、あの空軍のモットーに完全に反して。
“Never refuse a combat assignment” 「出撃命令は絶対服従」
ですから、よっぽど頭にきたんでしょう、アポロ13 をキャンセルされたのが。
ウォーリー・シラーはアポロ 7(1968年10月)の後、1969年 7月に NASA を辞め、ホットドッグはアラン・シェパードと替えられた(正式発表は 1969年 8月)後、1970年 7月に NASA とおさらばする。
要するにマーキュリー7では、NASA に殺された(←比喩的な意味)ガス・グリソムは言うまでもなく、宇宙という New Ocean から本当の ocean の底に体よくシフトされたスコット・カーペンター、そしてシラーとクーパーの 4 人は結果的には(つまり、最後まで) NASA と上手くいかなかった、そりが合わなかった―と、大雑把には言えましょうか。
その 729 ~730 (2005/ 9/ 3~4)
聞くところによると、スレイトンは本当はクーパーを好く思ってなかった―それがアポロ13 からクーパーが外され、結局 アポロ14 でシェパードが飛んだ経緯の根っこにある…
スレイトンのクーパー評は、マーキュリー(フェイス7)とジェミニ(ジェミニ 5)のキャリアにも拘らず、月着陸ミッションには不向き(不適格)としていたらしく、シェパードをカムバックさせることとは関係なしに、アポロ13 にクーパーを使う気など更々なかったとか。 (そうであるなら、アポロ10 のバックアップにすべきではなかったろう―やはり、唐突にシェパードが割り込んできたという感は否めまい)
そもそもスレイトンは(同じ空軍大尉であっても、エドワーズにおけるテストパイロットのランクが違うと)クーパーを初めから見下していたようで、原作にも 「いいか、ゴードーがエドワーズでやっていたことを教えてやろうか。 あいつは
格下のテストパイロット(←とすら認めてない?)のクーパーと同列に見られるのが気に入らなかったところにもってきて、自身は地上に回されて 実質的には宇宙飛行士とは言えない立場になったわけで、まあクーパーの存在が面白かろうはずはないでしょうね。
Apollo Spacecraft Program Office のジム・マクディビッド(エドワーズで ARPS のインストラクター ジェミニ 4、アポロ 9 の船長 アポロ12~16 の program manger)は、シェパードが所定の技術レベルに達してない(Shepard wasn't up to speed yet)と指摘し、スレイトンがアポロ13 の船長に(クーパーを外して)シェパードを指名したことに異議を申し立てたらしい。
それでもシェパードは(訓練の時間稼ぎに)アポロ14 に繰下げられただけで、アポロ13 には(クーパーではなく )ジム・ラヴェルが入れ替わったのは ご承知のとおり。 (←「アポロ 13」でシェパードの内耳炎のせいにしてた―「シェパードが内耳炎を再発させてね」 Al Shepard’s ear infection has flared up.―のは嘘八百で、もしそうならアポロ14 でカムバックできるわけがない)
とにかく、裏でも表でもスレイトン(とシェパード)はクーパー外しを画策し実行した―と、クーパー本人は後々まで恨んでいたらしい。 (おそらく、今頃は二人に文句たらたら揉めてるんじゃないかと―で、The issue here is monkey. とグリソムが間に入ってきたりして…)