独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3232】

 

その 876~877 (2006/12/ 8~15)

 

「アポロ 13」でジム・ラヴェルがアラン・シェパードの内耳炎のせいで 14号と 13号を交替したと説明するシーン―

 

I wouldn't want to be around Al Shepard tonight. (吹き替え 「シェパードの顔を見たら、ちょっと気まずいな」 字幕 「シェパードに会いづらい」)

 

と、まるでラヴェルがミッションを繰り上げられたことでシェパードに気兼ねしているかのような印象ですが、「人類、月に立つ」における人物設定は少なからず違っておりまして、Part 9 : For Miles And Miles (「不屈のカムバック」)でシェパードがアポロ13をくれとディーク・スレイトンに直訴したという噂に―

 

冗談じゃないぞ、何を考えてる? 8 年間飛んだことがなくて、その上 軌道を飛んだこともジェミニやアポロのカプセルに入ったこともない―バックアップしたことさえないのに、何であの人が次の月面着陸の船長になれるんだよ?("All right, Al. Let's see. "You haven't flown in eight years. "You never orbited the Earth. "Never set foot in a Gemini or Apollo capsule, or never served as backup. "So why don't we make you the command pilot for the next lunar landing ? ")

 

と(言わずもがな的な)正論を吐いて呆れるシーンがある―当然こちらが(そのままじゃないにしても)実像に近かろう。 (←結局 ラヴェル自身がアポロ13で飛ぶことになったけど)

 

 

アポロ13 を外されて NASA を辞めたゴードン・クーパーが TV のインタビューに「わたしはアラン・シェパードよりずっと若いし、体のほうも絶好調…でも NASA の内部では色々あってね、派閥抗争とか…そりゃ月には行ってみたいですよ…でも自分の信念を曲げたくもない…宇宙飛行士は任務に全てを捧げるべきで、個人的な野望は捨てるべきだ」(I'm much younger than Alan Shepard and I'm still in excellent physical condition. But there's been a lot of empire building going on and politics. I would've loved to head my own lunar flight. But I'm not gonna compromise my belief that a man should be fully dedicated to the programme beyond his own personal ambitions, that's all.)と語り(その2987参照)、それを見たシェパードが(「元同僚は厳しいねぇ」Boy, harsh words from a former colleague, Al. という問いに)「ああいう男だ」(Well, that's Gordo.)と応える―こういったシーンも何の説明なしに挟まれるので(アポロ13 をめぐるクーパー、シェパード、ラヴェルらの経緯を知らなければ)いかにも唐突な感じがする。

 

「人類、月に立つ」が「アポロ 13」と「ライトスタッフ」を前提にしている(映画を見ているものと想定して作られている)のは間違いないけれど、それだけでは不足で 実際はどうだったか(殆んど裏事情的なことまでも)ある程度の知識がないと言わんとするところは完全には理解できないマニアックな面―制作サイドからすれば(時間的な制約もあるので)解る人が解ればよい、あえて誰にも解るようには説明しないというスタンスがあるのも確かなよう。