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ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3120】

 

関連レス―

 

その667~670(2005/ 6/25~)

 

カプセル(フェイス7)の窓の外に 数羽のカモメが(ホットドッグの高いびきにシンクロするように)のんびり飛びかう―いくぶん奇を衒った感じのするユーモラスな絵柄ですが、まあ(ケープだから)カモメくらい飛んでて別に不思議はないにしろ、あれは実際がどうであれ、明らかに原作から引っぱってきたクスグリ的なイメージで―

 

二十万ポンドの液体酸素をつめこんだロケットの最先端で、あの男はいびきをかいて眠ってしまったのだ!(The man was up there stacking Z's on top of a rocket loaded with 200,000 pounds of liquid oxygen and RP-1 !)

 

と、ホットドッグの爆笑居眠り事件に触れる直前に、「ゴードーは全く泰然自若を絵にかいたようだった」(a picture of righteous aplomb)その一例のエピソードが記してあって、知人に飛行機の操縦を教える際、機体にフンを落とされるから絶対にカモメの下を飛ぶなと言っていたホットドッグが、それを実証するために エヴァグレーズの沼地すれすれの超低空―カモメの下をビーチクラフトで(それこそ草をバサバサと刈りながら)飛んで、その結果を勝ち誇るかのように見せつけたといった内容のクダリがあり(Cooper took him up in a Beechcraft one day and told him: "Never fly under a sea gull—they'll shit on your airplane.")、まさに そのカモメの下でホットドッグは能天気にも居眠りしてるという図なんですね、あれは。

 

 

そのビーチクラフトは、パトリック基地で自家用のボナンザに立つゴードン・クーパーの写真があるので、それに違いないでしょうけど、操縦を教えてた(同乗して震え上がった)知人と言うのは、原作に名前が出てまして ジム・ラスマン Jim Rathmann(Rathmann made the mistake of laughing, as if he thought Gordo was kidding, whereupon Gordo said, "I'll show you," and headed for a flock of sea gulls flying low over the Everglades.) ―きっとマニアならご存じの当時ばりばりの トップレーサー。(1960年のインディ 500で優勝 52、57、59年に 2位)

 

グレンを除く マーキュリー6 は(グレンが言ってたように) どいつもこいつも car crazy で、とりわけ ホットドッグとグリソムは血道をあげて熱中したらしい。

 

彼らはケープ近郊(たって ココアビーチの 20マイル南)で シボレー(とキャデラック)のディーラーをやってたラスマンと懇意になり、ラスマンの友人であるシボレー(ゼネラルモーターズ社)の社長 エド・コールの計らいで、実質的にタダ同然(←噂では年 1 ドルのリース料)で コルベットをゲットできた―テキサススタイルのバーベキューパーティのシーンで ホットドッグがグリソムに 「まだ飛んでないのに Corvette を手に入れた」 と言ってましたでしょ、あれですね。 (字幕は 「雑誌社の契約金が年に 25,000ドル 家はそっくりタダ コルベット 1 台 どこへ行ってもタダ飯の招待 まだ飛んでもいないのに」―ただし、NHK では商品名は出さないので 「高級車」 ←あれはどうあってもコルベットでなきゃなぁ…)

 

 

参考 1

 

宇宙飛行士御用達とも言われる コルベットですが、その先鞭とされるアラン・シェパードは もともとコルベット狂で、マーキュリー7となり脚光を浴びる(1959年)前から、既に 2台目(53年型、57年型)のオーナーだった。

 

それを知った GM 社、つまりエド・コールが(ジム・ラスマンとは関係なく)フリーダム7のフライト後に ピカピカの 62年型を(ねだられもしないのに)ご褒美として進呈したらしい。

 

と言っても、この件は一回限りの特例で、後々まで宇宙飛行士が簡単にコルベットを手に入れることができるようになったのは、あくまで ラスマンがシェパードやグリソムらと知り合い、友人のエド・コールにタダ同然のリース契約をさせるべく働きかけてやったおかげ。

 

(シェパードが乗ってた 68年型の白のコルベットミュージアムに展示してある)

 

 

参考 2

 

やはり コルベット狂だったピート・コンラッドはアポロ12のクルー、ディック・ゴードン、アラン・ビーンと仲良く 3人お揃いの―それゆえ、どれがどれだか区別するために? 各々 CDR (Commander)、CMP (Command Module Pilot)、LMP (Lunar Module Pilot)のロゴを入れた特注デザインの AstroVette を調達してもらってます。 (←月着陸船を背景に居並ぶ 3台の金色コルベットの前に立つ 3人の勇姿を収めた写真あり)

 

ビーンによると、GM 社は彼らに毎年(63年~71年頃) 2台のクルマをリース(←ガソリンとオイルだけ自腹)してたので、お好みのコルベットとファミリーカーをチョイスして乗ってたとか。 (その2958、2968参照)

 

余談

 

「アポロ 13」で トム・ハンクスは赤のコルベットを運転(かつエンスト)してたが、本当はジム・ラヴェルのは青だったもよう。