独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2923
 
クロスフィールドの security clearance について(その2917 参照)―追考
 
そもそも謎の凸凹リクルータ・コンビって何者? 
 
あの凸凹リクルータ・コンビが仮に NASANACA)のスタッフだとするなら、元 NACA のクロスフィールドと現 NACA のウォーカーを民間だから(The security clearance just takes too long with those people.)とハネる理屈が尚のことワケ分からん―自分らの security clearance をハッキリさせるのが先だろって話ですよ。
 
その 680 2005/ 7/12
 
凸凹リクルータ・コンビが宇宙飛行士をスカウトしにパンチョの店にやって来るシーン、あれは 1958年と推定される(←後述します)ので、実際にはイェーガーはエドワーズにはいないし、空軍アスホール・トリオもグリソムはライト・パターソンにいて、とうにリドリーは亡くなってるし、もとよりパンチョの店からしてありません。(クロスフィールドはエドワーズで X-15 を飛ばしていた)
 
そんな何から何まで作り話のシーン(←そこにはいなかったはずのイェーガー本人も出演してるくらい)ですからどうでもいいんですが、あそこに連絡官と一緒に少佐がいるんですよ―冒頭の 1947年から 10 年以上たってることを考えれば、もはや少佐ではないでしょうけど(←映画のオリジナル・キャラだし、ここでは半袖・無帽で階級は見てもよく分からない)、何にしてもエドワーズ所属には違いなかったんでしょう。
 
宇宙飛行士のスカウトが来るってんで、何やら連絡官と打ち合わせでもしてるのか(カウンターで飲んでるイェーガーとクロスフィールドの傍で)立ち話をしております―グラス片手に。(それからリドリーと一緒に「それに乾杯」をやる)
 
 
その 681
 
話の展開としては、凸凹リクルータ・コンビはスプートニク195710 4日)のすぐ後にエドワーズに赴いた(スカウトに奔走した)ような感じに描かれてますが、実際に NASA が宇宙飛行士の募集を表立って(←極秘扱いではあるものの)始めたのは 1959年に入ってからで(←同年 1 月に、まず空軍 58、海軍 47海兵隊 5 110名の軍パイロットがリストアップされている―何人かの陸軍のパイロットはテストパイロットの資格がなく外された)、あのパンチョの店のシーンは(内々の下調べだとしても)少なくとも NASA が設立された 195810 1日以降でなければならない―と、わたしは辻褄合わせ的な推測をしてるわけです。
 
と言って、映画のオリジナル・キャラである(ジェフ・ゴールドブラムハリー・シェアラー扮する)凸凹リクルータ・コンビが NASA の人だというのではありません。
 
確かに、原作には彼らのモデルらしき NASA の上層部のスタッフ(Two of the highest ranking engineers of the National Aeronautics and Space Administration)が登場するけども、凸凹リクルータ・コンビは下っ端(単なるパシリ)にしか見えないし、そもそも NASA 設立以前から出ておりますしね。 (まさか、前身の NACA の人でもなかろう―マーキュリー7のお披露目シーンに、あの連絡官と 3 人一緒にいるにしても ←もっとも、凸凹のモデルのジョージ・ロー George Low とエイブ・シルヴァースタイン Abe Silverstein は元 NACA の人であったりするが、ここでは無視しておきましょう)
 
 
その 682
 
まあ、架空の存在ですから(連絡官や少佐と同様)どこの所属だろうが一向に構わないんですけど(←と言いつつ、しつこく構ってるんですけど)、はっきりしてるのは―
 
ワシントンD.C. の政府機関内にいる(←むろん、NASA の本部も含まれはするが)
 
パンチョの店に乗ってくる公用車には単に U.S.Government (←他の字は小さくて読めない ←[property of U.S.Government]と判明しました)と記してある
 
ということで、いかにも NASA の人然とはしてなくて、ただ漠然と政府の職員一般という趣であります。
 
あえて付け加えるなら、ソ連の宇宙計画のフィルムをジョンソンら要人に見せる時の、謎の設計主任(コロリョフ)などの情報入手話の口ぶりからすると、何か諜報活動にも関わっていそうな部署の人っぽい雰囲気はある―ちょっと怪しげですし。(←特に凹のハリー・シェアラー
 
 
その 683
 
もとより凸凹リクルータ・コンビが宇宙飛行士をスカウトして回ったなんてことは映画の作り話で、実際は極秘命令(文書)で募集がかけられており、原作には―
 
私服を着て国防総省ペンタゴン)のしかるべき部屋に出頭せよ(They were supposed to report to a certain room at the Pentagon disguised as civilians.
 
という命令をピート・コンラッド、ウォリー・シラー、ジム・ラヴェル(の海軍アスホール・トリオ?)が受け取り、NASA からマーキュリー計画についての説明を受けた後、志願するかどうか(それが海軍パイロットのキャリア、つまり昇進にプラスなのかどうか)をアラン・シェパードらと長時間話し合ったと述べられてます。
 
そのブリーフィングを担当した(どっちかと言うと凸のほうのモデルの)ジョージ・ローは、予想に反して志願者が多かった(また、これだけ熱心なら訓練中の脱落者は少ないだろう)から、採用者を当初の予定の 12名を 6名に減らすことになった―と、証言しております。
 
 
その 626
 
空軍のテストパイロット映画?の「ライトスタッフ」で、ひとり海軍色を鮮明に打ち出して登場するのがアラン・シェパード―凸凹リクルータ・コンビがどこか洋上の空母に出向いてまで(かつ、吐いてまで)スカウトするシーンは、もちろん作り話ですけど、原作には海軍きっての優秀なテストパイロットだったシェパードが「斜めに取り付けた航空母艦の滑走路に」着艦させて性能テストをしていたというクダリがある。(もっとも、あの頃は実際には空母に乗ってないと思われ、A-4 スカイホークをテストしてたというわけでもない)
 
海軍に good pilots がいるのかと訝る凸に―
 
They call them aviators in the Navy. They say they’re better than pilots.
 
と凹が応えるのは、原作に―
 
立派な海軍のパイロットは真の航空士(エイヴィエイター)だった One had to be a Navy pilot to appreciate the final nuance. A good Navy pilot was a real aviator
 
として、海軍の aviator が空軍の pilot とは異質な二ユアンスをもってることを記しております。
 
 
その 627
 
引き合わされたシェパードに 凸凹リクルータ・コンビが(船酔いでうぇっとなりながら)説明する―
 
It’s so hazardous that if you decide not to volunteer, it will not be held against you in any way.
 
といったセリフは、原作に説明会での(もちろん凸凹リクルータ・コンビではない)ふたりの NASA の上層スタッフ[エイブ・シルヴァースタインとジョージ・ロー Abe Silverstein and George Low]からの申し伝えとして―
 
きわめて危険であるので「志願しなくても、将来それが諸君にとって不利に働くことはない」(if you don't volunteer, it won't be held against you
 
「たとえ志願しなくとも、そのことが記録に残ったり、将来不利になるようなことは決してない」(if a man did not volunteer, that fact would not be entered on his record or held against him in any way.
 
とあります。
 
そこの一節には 「戦闘任務は決して断ってはならない」(Never refuse a combat assignment. というクダリもあって、これは言うまでもなく、映画でのホットドッグのセリフ―
 
There’s an old saying, “ Never refuse a combat assignment. ”
 
に流用されておりました。