【誰にともなしに、独り言レス―その3390】
スクリプトに―
In the silence there’s the faint music of a long-lost Pancho’s playing, of a time of flyboys and pictures on the wall
とあるから、いつしか「シュガーブルース」は(クーパーが "some place that doesn't even exist anymore" と説明するように)かつてパンチョの店(のジュークボックス)で流れていた曲(the faint music of a long-lost Pancho’s playing)に巧く変えていくつもりだったのかもしれないが、そんな脚色じゃ辻褄の合わない無理やり感の滲む逃げにしかならない。
なぜなら、あくまでもパンチョの店はエドワーズ(空軍基地)にあって、そこでのエピソードはイェーガー始め空軍アスホール・トリオ(クーパー、グリソム、スレイトン)にまつわる特定地域の背景なので、以降に登場する(エドワーズとは全く没交渉の)グレン(海兵隊)やシェパード、カーペンター、シラー(海軍)ら他のマーキュリー7との in another dimension(アイコンタクト)の BGM に使えるはずないでしょ、それまでの描き方からして。
ラブレース(Lovelace Clinic, Albequerque)での身体検査シーン
周りの Navy and Marine pilots のことをスレイトンが―
DEKE
Yeah, you can tell those guys ain’t up to Air Force standards. I hear we got some fifty-some odd guys tryin’ out for just seven spots. After they choose the three of us, there’s only gonna be four openin’s left. (字幕:平気さ 空軍は精鋭ぞろいだ テストで選ばれるのは 50 人中 7人だけ 3人は おれたちで占める)
と海軍・海兵隊は空軍の水準以下と見なし、はっきり線引き(エドワーズの境界線内外で彼我のパイロットを峻別)する。
そんな(空軍・海軍・海兵隊ごちゃ混ぜの)マーキュリー7の絆(in another dimension)を描くのにパンチョの店(エドワーズ)までステージを遡ってしまっては話がチグハグなんですよ―だからカウフマンは当然そうしなかった(と思う)。
要するに、上辺は原作どおり「シュガー・ブルース」に拘ったスクリプトは額面どおりには受け取れない―内心 カウフマンは「シュガー・ブルース」なんぞ(ドタキャンしたんじゃなく)端から使うつもりはなかったという気がしてならないってことです。