【誰にともなしに、独り言レス―その3128】
その230~232 (2003/12/ 7~9)
アラン・シェパードのバックアップ・パイロットがジョン・グレンだったのは間違いない―証拠写真があるゆえ。
その内の一枚に、バスローブ姿(←シャワー浴びたんで)の二人が早い朝食をとってるツーショットがあり、メニューは(その後伝統的な打ち上げ定食となった)ベーコンを巻いたフィレミニョン・ステーキとスクランブル・エッグ、それにオレンジジュース。(「ライトスタッフ」では、ルイーズが「アランったら、今朝出かける前にコーヒーを 4 杯も飲んでったのよ」 Alan had four cups of coffee before he went to work this morning. などとくっちゃべっておりましたが、ありゃ全くの作り話ですから本気にしないように―あの手のギャグって、つい真に受けがちでしょ、皆さん素直だから)
アラン・シェパードが 1:10 a.m. に目が醒めてから(←遠足に行く子供か)カプセルに搭乗する(5:20 a.m.)までに摂取した液体は、水の他はオレンジジュースと紅茶らしい。
ん~この紅茶がなぁ… 利尿作用があるでしょうが、けっこう。
スペース・スーツ(pressure suit)を着込んだのが 3:00 a.m. 頃からだとして、その後は当然もう用は足せなかった―としたら、6 時間くらい経ってた計算になりますよ、あの時は。
次のガソリンスタンドまで我慢できなかったのも、まあ無理もないっちゃ無理もないでしょうな。
それでは、なぜアラン・シェパードのバックアップに限っては、次に飛んだガス・グリソムではなしに、そのまた次に飛んだジョン・グレンだったのか?
あえて強弁させてもらいますが、この事実は《 NASA は最初からジョン・グレンを実質 1番目である「3 番目」に決めていた 》説の反証どころか、傍証になると考えます―ま、例によって無理やりなんですけど。
率直に言って、ジョン・グレンは自分が飛ぶ前に 2 回続けてバックアップ・パイロットを務めてるんですよ。
これは要するに、紛れもない「えこ贔屓」であって、3 番目の本番のためのリハーサルをさせていたということなんじゃ?
3 番目の有人軌道飛行のリハーサルにすぎなかった 1番目と 2 番目の有人弾道飛行で、パイロット自身の(精神的に慣れておくという意味で)リハーサルをやらせてたってことなんじゃないでしょうか?
バックアップ・パイロットは、あくまで万が一の念のためであって、実際に必要とされる事態になることなどないと踏んでたとしたら―
事実、マーキュリーにおいて、バックアップが代わりに飛んだことなんか一度もないんですから。
1961年 1月19日、ロバート・ギルラスが、交霊会の部屋で7人に向かって、互選の結果、1番目はアラン・シェパードだと発表した時、同時に 2 番目はガス・グリソムで、両方のバックアップにジョン・グレンがあたるということも告げられた―
この情報に従えば、最初からジョン・グレンは1番目(と 2 番目)のバックアップを務めると決まっていたようなんですが、誰も異議を唱えなかったんでしょうかね…不思議じゃないです?
自分達の互選の結果は黙って受け入れざるをえないにしても、その1番目のバックアップ・パイロットになれば、ひょっとしたら代わりに1番目に飛べるかもしれないんですよ。
それがなぜ、2 番目を差し置いてまで(3 番目であろう)ジョン・グレンがなるのか―これを「えこ贔屓」と言わずして、いったい何と言うのでありましょう。
少なくとも、当の 2 番目が何か文句言いそうなもんですけど、考えてみりゃ、我らが空軍 ガス・グリソムには↓誇り高きモットーがございました―
"Well, in the Air Force you get some weird orders, but you obey them,
no matter what. " (その48)
(とは言え、さぞかし誰もが腹ン中じゃむかついてたでしょう―あのスコット・カーペンターでさえ、「本来なら、このわたしこそが1番目になるべきだった」と宣ってるくらいだから ←あんたが言うな…)
その48 (2003/ 6/29)
「ライトスタッフ」じゃ、あの 凸凹コンビがあちこちスカウトしてまわる。(ちなみにクレジットでは二人は recruiter つまり、スカウトと言うより求人募集してたんです―缶詰のなり手を)
ほんとに求人募集みたいなことをしたのかどうか知らないが(てか、作り話でしょう)、少なくともガス・グリソムの場合、実際は "Top Secret" 扱いの公式文書で命令を受けたそう―ある日突然、ふってわいたような感じで。
そこには、ある住所(ワシントンD.C.の)が書いてあって、指定された日時に来いと―それも私服で。
その時グリソム少しも動ぜず―
"Well, in the Air Force you get some weird orders, but you obey them, no matter what. " (まあ、空軍じゃワケ分からん命令でも、命令されたら従えってことだ、何であろうと)
と、殊勝にもこう申しております。
(で、決められた日に D.C. に出かける、いそいそと―むろん、私服 my best civilian suitで)
ん? これって、どっかで聞いたことが―
そう、あのシーン(パンチョの店に凸凹コンビがやって来て)、ホットドッグが言う―
There’s an old saying, "Never refuse a combat assignment."(昔からモットーがあるだろ、「出撃命令は絶対服従」って)
このセリフ―似てますよね、表現が違うだけで。(案外、そう言われたほうのグリソムがもとネタか)