【誰にともなしに、独り言レス―その3122】
関連レス―
その 27 (2003/ 5/15)
A lonely beacon of restraint,self-sacrifice in the squall of car crazies.
と、かようにジョン・グレンは自分のことを表現しております。
字幕は「スピードマニアの中で唯一冷静な男だからね」 (「カーキチの集団の中で自制心を失わない男」)
直訳的には、クルマ狂の嵐の中の自制と自己犠牲という独りぽっちの誘導灯(ビーコン)―ちょっとピンとこない比喩ですが、これは案外見逃せませんよ。(字幕は無視してしまってるけど) [ 原作: カー・キチが高性能車をぶっ飛ばしているなかで、ただ一人抑制と自己犠牲の灯をともして、おんぼろプジョーを平然と乗りまわした質素な勤勉家だった。 He was the Willie Workadaddy who drove around in a broken-down Prinz(Peugeot), like a lonely beacon of restraint and self-sacrifice in a squall of car crazies.]
ビーコンって、ご存じのようにピカピカ光って案内・誘導したり、時として警告・注意したりするもの。
と言うことは、ここでビーコンであるジョン・グレンは暴走族みたいな連中の交通指導員を自任してるわけです、きっぱりと―この俺がビーコンだ、って。
ここですよ―はっきり言って、ジョン・グレンって、いったい… 何様?
なるほどエド・ハリスのでぼちんはビーコンですよ、そりゃ立派なビーコンであると認めましょう。
ですが、ジョン・グレンのこの独りよがりの思い込みが他の連中の大顰蹙を買うハメになるんですね。
偉そーにビーコンぶりを発揮して、女にうつつを抜かすなとか何とか、みんなのふしだらな生活態度にピカピカと警告を発した時―
Mr.Glenn, you're way out of line. 「ガタガタ言うんじゃーない」
と、アラン・シェパードに一喝されます。
out of line―列を乱してるよ、ずれてるよ、一人で浮いてるよ (偉そーに言うんじゃない)って意味、巧い表現じゃないですか。
仲間内の互選で第一号になれなかったジョン・グレン―まさしく out of line でありました。
参考
マーキュリー7の当時の肩書きは―
ゴードン・クーパー、ガス・グリソム、ディーク・スレイトン 空軍大尉
スコット・カーペンター 海軍大尉
アラン・シェパード、ウォーリー・シラー 海軍少佐
そして Mr.Clean Marine 海兵のかたぶつ、ジョン・グレンは中佐殿であらせられます。
(偉そーに、ってホントに一番偉かったのね、階級の上では…)