独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2903
 
>どうもイルカ顔の映画が(イーストウッドの手を離れたせいもあり)あまり期待できない、つまり面白くも何ともないと予想されるとなると―
 
ファースト・マン」公開前日に何なんですが、わたしが >面白くも何ともない などと(一昔前のレスながら)そうとう失礼にしてエラそーな予断をしている真意は、わたしにとって面白い映画とは即ち(単純明快に)笑える映画だということであって、S タイプ(sohkusa 向き)の要件の一つは「笑える」、これなのであります。
 
どう見ても、笑えそうにないでしょ、ありゃ…
 
関連レス―
 
別格の 3 本シリーズ―その 2
 
ライトスタッフ」 The Right Stuff
 
内容の少なくとも 13 はコメディなので(←その根拠を知りたければ某ライトスタッフ・トピ msg 751 を参照されよ)好みはありましょうが当然「笑える」シーンも多く、一例として―
 
リバティベル7 の打ち上げ前日、ココアビーチのバーでガス・グリソム(フレッド・ウォード)が(カウンターのおねえちゃんをナンパしたりして)ゴードン・クーパーデニス・クエイド)と一杯やっている―ふと目の前の大きな水槽(プール)を見やると人魚のように舞い泳ぐ水着嬢に混じってディーク・スレイトン(スコット・ポーリン)が服着たまま潜り戯れ、二人は大爆笑…
 
ここは普通に「笑える」だけでなく、フィリップ・カウフマンの巧妙にして皮肉な仕掛けがあって、あえて実際は泳げなかった(らしい)スレイトンを水に沈めることで、リバティベルを海に沈め溺れかけたグリソムのヘマぶりを笑いのうちに予見させ(ほのめかし)てくれてるわけです。
 
(なので、例えば IMDb goofs Factual errors として Deke Slayton couldn't swim. などと指摘されてることこそ、全く浅はかな goofs ―笑えます)
 
 
その65 (2003/ 7/16
 
別に深い意味はないんでしょうけど、そう思って見ると「ライトスタッフ」には、いわゆる凸凹コンビがけっこう目に付きますね―
 
 
前にも書いたベル社のおっさんコンビ
 
それにエドワーズかどっかの少佐とあの連絡官
 
それからホットドッグとガス・グリソム
 
とくればスコット・カーペンターとジョン・グレン
 
その流れでココアビーチのいけいけ凸凹ギャル
 
コンビじゃないけど女同士ならヒゲのマーチ看護婦とトゥルーディ
 
忘れちゃいけないのがゴンザレスとホセ・ヒメ~ネス
 
そして、サム・シェパードのイェーガーとレボン・ヘルムのリドリー
 
そのついでにイェーガーとパンチョ・バーンズ…
 
どうです?
 
こうまでくると、ひょっとして深い意味があるのかもって気になりません?―なるわけないですね、深い意味なんてないんでしょうから。
 
ただ強いて言うなら、無理にこじつけて言うなら、案外こうやってフィリップ・カウフマンは腹ん中で舌を出してるのかもしれませんよ―
 
ほんとはコメディーなんだぴょ~ん、って。
 
 
その127 (2003/ 9/28
 
ライトスタッフ」のなかで、ガス・グリソムがジョン・グレンとスコット・カーペンターのふたりを皮肉って、漫画のコンビ Archie and Jughead に喩えるシーンのことは以前書きましたが、ジェフ・ゴールドブラムハリー・シェアラーのような凸凹コンビは、よく Mutt and Jeff に喩えられるようであります。
 
Mutt and Jeff は古~い漫画のキャラで(初登場は1907年)、どんなんかと言うと、早い話がジェフ・ゴールドブラムハリー・シェアラーのコンビ、そのまんまをイメージすれば間違いないでしょう―もっとも、ジェフがマットで、ハリーがジェフですが。
 
ライトスタッフ」は Mutt and Jeff で溢れかえっている…
 
 
その128 
 
フィリップ・カウフマンは「ライトスタッフ」を基本的にコメディ仕立ての構成にしてますね。
 
それは、ジェフ・ゴールドブラムハリー・シェアラーに代表される凸凹コンビの多用(Mutt and Jeff で溢れかえっている… by sohkusa)もさることながら、コメディのプロである Bologna BrothersI Fratelli Bologna)の起用と、その異常なまでの露出度を見れば明らかでありましょう―
 
のべ時間からすれば、他の誰よりも映ってるシーンが、はるかに多いに違いないと思われますから。(←なにしろ、ゾウムシ 7 匹分ですし)
 
 
その129 
 
Bologna Brothers は「ライトスタッフ」では正式に I Fratelli Bologna とクレジットされて(あの後 を取って、現在は Fratelli Bologna となって)ます。
 
彼らは所謂コメディア・デラルテ集団として即興喜劇をやり始めたばかりだったんじゃないでしょうか、あの頃はまだ。
 
ライトスタッフ」への起用は、ですから大抜擢だと思いますよ―ちょい役どころか、ある意味では映画の柱とも言えますでしょう?(←って、そういう見方をしてるのは、わたしだけかもしれませんが)
 
パメラ・リードかバーバラ・ハーシィだったかの話によると―
 
撮影の後、ホテルのプールサイドで、皆がぐったりとして休んでた時、役の衣装のままの Bologna Brothers が、サーカスの道化師が乗ってるような背の高い竹馬に乗って行列して現れたかと思うと、目の前を悠然と闊歩するや、そのまま次から次にプールになだれ込んで行ったことがあったそう。
 
一同、このパフォーマンスに大爆笑して、すっかり元気を取り戻したのは言うまでもありますまい。(←ソースが消えてるんで、思い出しながら適当に書いてる―従って、たぶん作ってますね、わたし)
 
 
その131 
 
以前どこかで見たフレッド・ウォード(ガス・グリソム)の分析によりますと―
 
フィリップ・カウフマンは「ライトスタッフ」において、その斬新な手法により、以下のことを同時に表現したのだそうであります↓
 
1.イェーガーによって、古いウェスタン的なこと
 
2.マーキュリー7によって、現代的なこと
 
3Bologna Brothers によって、コメディ的なこと
 
これが正しい分析だとすれば(かつ、わたしの記憶が正しければ)―
 
Bologna Brothers は映画の柱、少なくとも三本柱のひとつであると言って間違いはないでありましょう。
 
従って、ライトスタッフ 13 はコメディであると、わたしは主張いたします―しかも、その比率は、どう控えめに見積もっても、であります。(←わたしの本音のマッハ計は  0.9  辺りを指しておるようですから)