独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3503】

 

F-100 Super Sabre のデフォルト的な(area rule 無用の音速非対応設計ゆえの)致命的不安定性は "Sabre dance"(剣の舞)とか " not-so- Super Sabre"(言うほど Super じゃないけど)とか揶揄され、とうにイェーガー(一人のみならず)が垂直尾翼が小っせーよ(危ねーし)と指摘していた。

 

X-1A における秘技スピン返しの達人(その3457参照)によれば超音速の衝撃波で尾翼が消された如くになる(lost its tail)そうで、ウェルチの F-100A は(音速で飛ぶには面積が小さすぎる)short vertical fin のせいで制御不能に陥る。

 

ウェルチは超音速ダイブ・テストで F-100A の耐性を pushing the envelope していて、その限界(the outside of the envelope)を超えすぎてしまい(その3045~6参照)、完全に安定性(directional stability)を失って機をオシャカにし(screw the pooch)命をも失った。(その3077参照)

 

とすると、ウェルチが御法度の XP-86 超音速ダイブをやらかした理由もそうだったのか?

 

そもそもの話―なぜウェルチはイェーガーより先の音速突破を狙った(確信犯)のか考えてみたりするって話なんですけど。

 

ウェルチ真珠湾奇襲の際 P-40 で迎撃した(shot down four Japanese aircraft)のが命令なし(without orders)だったというアホらしい建前で Medal of Honor の推薦を却下されていて、そんな理不尽な体験も背景にあるのかもしれないが、XP-86 での音速突破は罷り成らぬとの御達しなんぞ(どこ吹く風の)聞こえぬふりした超音速ダイブをやらかした意図(動機)は何じゃらほい?

 

F-100A のダイブ・テストを敢行したこと(常習犯?)から逆向きに類推させられるように、テストパイロットの本分(習癖?)として当たり前に XP-86 を pushing the envelope したマジなフライトテスト(a standard test flight―その結果の掟破りの音の壁破り)とも見れるし、そこにケチな功名心とか悪ふざけのイェーガー潰しとかの不純物を混ぜくった(ちょっとアレな)愉快犯的パフォーマンスだったのか―

 

ウェルチはテストパイロットだから(ご多分にもれず)優れて independent なキャラゆえ(その3428~9参照)、上からゴチャゴチャ言われたって聞きゃしないし、それどころか逆らった行動パターンを示す習性的傾向がある(と思われる)ので、やるなと命じられたから(脊髄反射的に)やったという部分もあるやもしれない。

 

これって、スコット・クロスフィールドが慣らし運転の North American X-15 を(こっそり)マッハ  3 で飛ばして黙ってた(その3454参照)ことと似てる(もろ連想させる)でしょ、クロスフィールドはウェルチの直系とも言えるし。

 

ウェルチ墜落死後の F-100A テストを引き継いだ(October–December 1954 NACA test flight)のがクロスフィールドで、いわば North American テストパイロットの(independent にして自己満足的な)伝統芸みたいなもんすかね、ウェルチとクロスフィールドの妙に重なり合う掟破り(の超音速)は。

 

参考

 

クロスフィールドによるウェルチの F-100  解説(The Spoken Word: Recollections of Dryden History : the Early Years)

 

George Welch was killed in one of the early F-100s. He was a North American pilot, and he was demonstrating the corner of the envelope, a high speed, high - G pullout. When he did, the airplane lost directional control and went sideways. I think the nose broke off. But anyway I don't believe he ejected. But his parachute did open. We had the only instrumented airplane at the time. So North American built a larger tail— I think it was a 10 % larger tail vertical — and put it on our airplane and we did the testing of that. It proved that was what they needed . All of them after that had a larger tail vertical.