独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3499】

 

と言いつつ、ネット界隈にはイェーガーよりウェルチが先だった説が節操なく(どや顔的に)蔓延ってる感も少なからずあって、そのネタ元の多くは Aces Wild: The Race for Mach 1(Al Blackburn 1998)に行きつくのだろうが、そこで繰り広げられる詳細にして具体的な真相(とやら)を裏付ける客観的データなり信頼に足るソースなりは(全~然)明確じゃなく、ひたすら anecdotal に(さも間近に見てきたような講釈よろしく)語られる。(読んでませんけど―Web 上で一部チラ見は可)

 

ウェルチの "Mach jump" 報告も決して例外ではなくて、そのソースは銘柄不明―わたしは必要十分な論理的根拠と一推し認定してるけれど、それでも全くの作り話で大ウソである可能性はゼロとは(このわたしとて)断言できない。 〈註〉Al Blackburn が North American Aviation のテストパイロットだったのは 1954 年からで 1947年10月のウェルチにもイェーガーにも接してたわけなどなく講釈師まがいの(信じるか信じないかはあなた次第です的)ヨタ話とも映る―ただし、後には president of the Experimental Test Pilots Society になってるほどの人となりに如何わしさ(口から出まかせ感)はない。

 

で、まぁ "Mach jump" に関しては否定派が(ノースアメリカンの仲間内の話にすぎないだけに)ガセネタと一笑に付す余地が(1ミリくらいは)あるっちゃあるにしても、ミューロック(エドワーズ)一帯に轟き渡った "ba-boom" は自ずと事情(状況)を異にする。

 

ウェルチの(蓋をして隠しようのない)超音速カメハメ波を聴いた証人(earwitnesse)が数多いて、その全員が(口裏合わせの)偽証してる確率を想像するなら、とてもじゃないが ba-boom を言下に否定するには無理くりすぎで、確率的に ba-boom そのものが(まさか幻聴とか)フィクションなどとは(1ミリも)考えられないゆえ。

 

1 October のウェルチご指名の記録係(衝撃でベッドから跳び起こされたと盛り上げる)Millie Palmer や(焦って mining operations とごまかした)パンチョ・バーンズ以外にも実名を提示された証人が存在するし、いきおいウェルチの超音速ダイブ絡みの噂が基地内外に拡散して(空軍は苦い顔して)もいたそうだし、14 October の謎の(ウェルチとイェーガーの)ダブル ba-boom(two separate booms)を聞いて?????だった(居合わせていた) General Joseph M. Swing にウェルチは(New Mexico で missile test してた)V-2 rocket のコースが外れたのかもねと(とぼけた顔して)応えたなんてエピソードもある。(←この頃 Joseph Swing は日本に居たはずらしいので眉唾かもね)

 

この 14 October の an X-1(=Glamorous Glennis)では絶対不可能な ba-boom 2 連発は XP-86 の超音速ダイブを(もちろん V-2 はギャグだから)合理的に導き出していて、J35 エンジンでの音速突破を(ba-boom がその証と認めるなら)実証していると言ってよい。

 

更に 14 October の XP-86(fourth flight)の landing gear は(いつ修理したかはともかく second and third flight での車輪ぶら下げ固定方式を解除させて)自由に操作して超音速ダイブ対応にできたので、非力な J35 問題も車輪トラブル問題も否定派の有効な論拠には全~然なりえない。

 

つまり、ウェルチは 1 October 1947 に XP-86 超音速ダイブを成功していたと(どや顔で)主張されがちなのだが、これは(ただでさえ)非力な J35 で(おまけに)車輪ぶら下げてちゃ不可能だとの(どや顔の)反証に全面撤退させられることが仮にあったとしても、14 October の(イェーガーを 15 分先行する)超音速ダイブは非力な J35 でも(車輪ぶら下げてなきゃ)余裕で可能だった事実を明示しているのである。

 

かくして 14 October 1947 の XP-86 超音速ダイブを否定できない限り、いわゆる anecdotal な状況証拠によって the first(Mach buster)はジョージ・ウェルチだと結論するのが合理的ってものですよ―と、わたしは考えますよ。