独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3461】

 

D-558-Ⅱ は元来マッハ 2 で飛ぶ仕様になってなく、それに NACA は基本的に記録の追求・達成など考慮しない(むしろ、禁止していた)ので、クロスフィールドはスポンサーの海軍を上手いこと言うて唆し(?)、その口車に乗った海軍から NACA(director)のヒュー・ドライデン(Hugh L.Dryden)にワンチャンスのマッハ 2 テスト(try for one Mach 2 flight)の許可を取り付けさせる。

 

既にクロスフィールドは(最速マッハ 1.5 程度に設計された)D-558-Ⅱ を(魔改造して?)マッハ 1.9~1.97 辺りで何度か飛んでリサーチ(pushing the envelope)しており、マッハ 2 くらいは不可能な数字じゃ全然ないと踏んでいた―あくまで完璧に事が運べば、だが。

 

超音速の袋の穴ならぬ、針の穴に糸を通す(threading a needle)べく細心にして大胆、卓抜したエンジニア(/テストパイロット)なればこそ、クロスフィールドは一回限りの try を見事やってのける。(November 20, 1953  Mach 2.005 in a shallow dive)

 

フライト後の言(NACA のボス Walt Williams に)―

 

"For once things went right, we went faster than the airplane was designed. I think we probably did the impossible."

 

なんて事情(エンジニアとしての側面―実は、真正面)は「ライトスタッフ」のクロスフィールド像からは知る由もないゆえ、ご本人は一切(少なくとも自身に関する描かれ方は)認めてません―

 

“I will not endorse anything that was in 'The Right Stuff' ” (その3070参照)