独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3221】

 

その2876~2877

 

さて、ここから(例によって) 100% 妄想(にして、微かな確信)―

 

Chapter 13 : The Operational Stuff 「オペレーショナル・スタッフ」にはトム・ウルフの元々の目論見が垣間見えていて、The Right Stuff とは明確には The Right Operational Stuff であって、その主人公にピート・コンラッドが選ばれているのは(実験科学ミッションとしての)スカイラブをこそ話の着地点(帰結)にするつもりだったからじゃあるまいか。

 

だとすると、「ザ・ライト・スタッフ」は尻切れトンボどころか、The Right Operational Stuff(ザ・ライト・オペレーショナル・スタッフ)なるテーマの問題提起―起承転結の「起」(トンボの頭?)を示しただけで終わってることになる。

 

想像される全体のアウトライン(展開)としてはピート・コンラッドの各ミッションが―

 

起 - マーキュリー(不適格)

 

承 - ジェミニ  (ジェミニ5、11)

 

転 - アポロ   (アポロ12)

 

結 - スカイラブ (スカイラブ2)

 

と割り当てられましょうね。

 

つまり、「ザ・ライト・スタッフ」は何と肝心のピート・コンラッドが本領発揮する以前の導入部で唐突に幕引きされてるわけで、トム・ウルフは序章を書いただけで(450ページも書いてはいるが)「はい、終了~ はい、完成~」とばかりに(そのペンを)投げ出した格好なんですよ。("Originally the book was going to go through the whole space program up to Skylab, but I finally got up to 450 pages and I said that's it, I think I've got a book.")

 

 

参考

 

「ザ・ライト・スタッフ」(中公文庫)訳者あとがきの一節―

 

ある日家内がもう本は終りまでいっていると教えてくれなかったら、まだ書いていたかもしれないと彼(トム・ウルフ)は述懐している。「だけどまだ宇宙飛行士が月に行くところまでも書いていないんだぞ」と彼が反論すると、「この本では月には行かないのよ」と言われ、ほっとしてそこで打ち切ったということである。当初の心積りどおり、月着陸からスカイラブ計画までを含めたとしたら、厖大な分量になっていたであろう。

 

Tom Wolfe ご本人の証言(by Nancy Pate Special to the Daily Press 2003)―

 

"Originally I had in mind that I was going to write the history of the space program from post-World War II and the X-series rockets up through Apollo to Skylab,"

 

"My wife cut the book off. I'd worked on it longer than Project Mercury lasted. She walked in one day and said, 'Congratulations, you've finished your book.' And I said, no, that we hadn't gone to the moon yet. And she told me that I wasn't going to the moon in this book."