独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3208】

 

関連レス―

 

その 26~27 (2003/ 5/14)

 

とあるシーンで Mr. & Mrs. Clean Marine が―

 

Mrs. 「遊びは?」

 

Mr.   「仕事が最優先 バカ騒ぎは つきあい程度だ」

 

ん~ この字幕じゃ、ジョン・グレンが自分のことを言ってるんだと思うでしょ、誰しも―が、さにあらず。

 

このセリフはこうです―

 

Mrs. What about...the...

 

Mr.   The others will get the job done and keep the mickey mouse to a minimum.

 

グレンは訓練の後 5マイルのランニングをするつもりで、それにはカーペンターが付き合うだろう、彼はほんとうに philosophical だ、という話をする。

 

そして吃音のアニーが、他の人は? と訊きかけたのを察して、このように答えてるんです。

 

つまり、カーペンターは節度があって真面目(philosophical)な奴だから問題ないが、他の連中は、ちゃんと仕事を片付けた後は(ランニングには付き合わないにしても)つまらない時間の無駄遣い(the mickey mouse)は最小限にとどめておいてくれるだろう、そうであってほしいけどなぁ―てな希望的観測を述べてるわけです、このクリーン・マリーンのハゲぼんちゃんは。

 

それは、まんまと―と言うか、果たしてと言うか、完全に期待を裏切られて、その結果グレン+カーペンターのかたぶつコンビ vs ミッキーマウス派のカンカンガクガク、あの科学的難問(?)に関する白熱した口論に至るというオチだから、その伏線でもある。 [ そういう流れにカウフマンが意図して編集してるのであって、元のスクリプトは後先が全く違う ]

 

だから、これはグレンが(うわべでは)皆いい連中だとか何とかクリーンなことを言いつつ、微妙な内心を覗かせてるとも解釈できるでしょう。

 

その背景には、グレンは仲間内の互選でマーキュリーの第一号にはなれなかった―この話が(「ライトスタッフ」では描かれないが)あるに違いない。

 

それは、このシーンの最後にグレンが(マジメくさって)―

 

I’m planning on being the first man to ride the rocket.

 

と言うことからも明らか―虎視眈々(日々5マイルのランニングをこなし) 一番乗りを狙ってたんですよ、このハゲぼんちゃんは。

 

*参考

 

レンタルのほうの字幕では―

 

「ぼくは任務を先行させる バカ騒ぎはしない」

 

とグレンが 100% 自分のことを言ったセリフにしちゃってますね、堂々と。

 

どうして一目瞭然の主語 The others を無視して「ぼくは」としたくなるかと言うと、その前のカーペンターについてのセリフ、real philosophical の意味合いに引きずられたか。

 

レンタルの字幕は、彼は「哲学的なことをいう」―そう当たり前に [ 原作のもとネタどおりに] 取ると、話(映画)の流れがぼやけてくる。

 

このセリフ(文脈)での philosophical はストレートに(日本語の)「哲学的な」と言うより、冷静(calm)で分別があり(judicious)真面目で羽目を外したりしない(sober)といったニュアンスでしょう。

 

だからカーペンターは、グレンが言うように(また大前提としてグレン自身)philosophical なかたぶつであって、バカ騒ぎして任務を後回しにしたりする心配などないんですよ。

 

だからこそ訓練の後でも一緒にランニング(パシリとしてお供)するんです―心配なのは、まさに The others なんだから、自分たち以外の。

 

この主語を「ぼくは」にしてしまうと、哀れ カーペンターは philosophical にして実は philosophical じゃないというワケの分からない唐人の寝言(≒ philosophical )になってしまい、それこそ「哲学的な」無限ループに陥ってしまうのであった…

 

※ BS 2 の字幕の philosophical は「物事を深く考える」、アニーが「遊びは?」(What about...?)と訊いて、グレンが The others~ の主語を明言せずに「仕事が最優先 バカ騒ぎは つきあい程度だ」としてるのは流石に「ぼくは」じゃちょっとマズイと思ったのかもしれないが、あの石部金吉が「つきあい程度」にも(ココアビーチの cookies と)バカ騒ぎするわけはなかろうに。