【誰にともなしに、独り言レス―その3038】
格納庫の F-104 を矯めつ眇めつするイェーガー―
I get a feeling this plane might be able to beat that Russian record.(こいつならソ連の記録を破れそうだ)
You might be right.(かもな)とリドリーは応える。
この場面設定は―
CUT TO: INT HANGAR AT EDWARDS (1963)
A HANGAR AT EDWARDS. TOTAL SILENCE. THE NEW PLANE (NF-104) with the huge rocket mounted on it sits silently in the hangar.
となっており、時系列の無視かつ尾翼のロケット搭載をスルー(知らん顔)して Bright glare from the plane, BLEACHING WHITE THEN, SUDDEN BLACKNESS―正確には F-104 の後部の BLACKNESS が HOUSTON COLISEUM の入場口、即ち「ライトスタッフ」名作シアターの佳境へと転翔(暗転)する。
スクリプトに NF-104(with the huge rocket mounted on it)と明記してはいても、周知のように撮影は F-104 ―
その1379
ある意味 「ライトスタッフ」のパラダイム(と言うか、大前提)だと思うのだが、イェーガーの乗る(西部の象徴としての馬は除いて)X-1 にしろ X-1A にしろ ロケット機であり、ラストの NF-104(という設定の F-104)の尾翼には見えないロケット・モーター装着―むしろ(イェーガーはスペース・テストパイロットゆえ、論理的に)そうでなければならないのであって、「ライトスタッフ」では一貫して「ロケット」がキーワードになっている。
であるなら、そこを無頓着にも(単なる無知にしても)外してはいかんわな…
X-1 はジェット機じゃなく ロケット機です。
>14 万フィートという高さまで戦闘機で上昇する
NF-104 は戦闘機じゃなくロケット(エンジン付き)練習機―これは重箱の隅じゃなく本質論ですよ。
その 703~704―
NF-104 (Lockheed NF-104 A)は aerospace trainer とか space pilot trainer と呼ばれるように 宇宙飛行訓練用の Trainer 即ち 練習機です。
NF-104 を連絡官がイェーガーに見せるシーンは、史実上は最初の 1 機(全 3 機)が配備された 1963年10月 1日ということになりましょうか。
当時 エドワーズの ARPS (Aerospace Research Pilot School)の Commandant だったイェーガー校長は(慣らし運転を兼ねて?)練習機のテストしてたわけです―うっかり screw the pooch してしまいましたが。
記念すべき 2001年 8月10日付け 「ライトスタッフは名作です」 レス(msg 1)に―
104 試作機で上昇記録に挑む前の機体を後方からイェガーと一緒に映すシーン
が、この映画のツボのひとつに挙げられてますでしょ、NF-104 を飛ばすシーンそのものじゃなく。
こういうセンスの持ち主が ライトスタッフ・トピを立ち上げて下さったことに、わたしは心より感謝いたします―トピ主さん、ありがとうございました。