独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2897
 
その1363
 
アームストロングの訃報に寄せた記事(Neil Armstrong, a hero who shunned fame   CNN Opinion)に―
 
Rather than having the jaunty wit of aWally Schirra, the affable magnetism of a John Glenn or the flinty swagger of a Chuck Yeager, Neil Armstrong came across as nothing more than the earnest,no-nonsense engineer he actually was.  No artifice, no flash, no -- well, frankly, no star power to speak of.
 
とあり、"the brightest star on Earth" であるはずのアームストロングの実像は(例えば肩で風切るイェーガーと違って)これと言ったスター性などないキャラだったとしている。
 
むしろ、だからこそ the first man on the moon に選ばれたという見方はできようか―
 
NASA 50 年」の再現ドラマで最初に月に降り立つのはアームストロングかオルドリンかを諮る上層部の緊急会議の場面があって、その顔ぶれが ディーク・スレイトン 宇宙飛行士室長、ジョージ・ロウ アポロ計画室長、ボブ・ギルラス 有人宇宙船センター所長、クリス・クラフト 主席管制官(ママ) と表示され、ロバート・ギルラス(ギルルース)が「ニールは寡黙で冷静で意志が強い」と主張するや(何ら議論の余地なく)あっさりアームストロングに決まる。
 
実際 クリス・クラフトが(ジェームズ・ハンセンの取材に応えて)全く同様の証言をしていて―
 
"It should be Neil Armstrong. Calm,quiet, and absolute confidence. He had no ego. ~ We had two men to choose from, and Neil Armstrong, reticent,soft-spoken, and heroic, was our only choice. It was unanimous."
 
と、偏に(空前のヒーローたりうる、そして留意すべきは ヒーローになった後のことをも見据えて)その人間性を理由に全員一致でアームストロングが only choice だったことを(端からオルドリンは問題外、選考するまでもないといった口ぶりで)明かしている。 
 
 
その1364
 
イェーガーのアームストロングへのお悔やみ(826)は―
 
"Too bad we lost one of our good pioneers.  Neil was a good friend and we'll miss him."
 
と、ただの定型文ふうで(a good friend にしちゃ)そっけない…
 
 
Armstrong Hosts NASA 50th Anniversary  Documentary (2008
 
を見ると、冒頭  X-1 X-15 が(一瞬だけ)映って、全てはここから始まった(言ってしまえば、全てはここにある)という趣―わたしはイェーガーとアームストロングを何となく表裏一体的に感じていて、詰るところ全てはこの二人にある(全ては二人に集約されている)とも思う。
 
その1073
 
仮にアポロ10 dress rehearsal がアポロ11 にずれ込んで、次のアポロ12 が最初の月着陸ミッションになっていたなら、必ずや トム・ウルフは「ザ・ライト・スタッフ」をアポロ計画までカバーしていたに違いない―言うまでもなく、ピート・コンラッドを軸に。
 
そして、アームストロングにも当然もっと多くの紙面を割く―
 
その場合(なぜかワクワクして妄想するのだが) First Man になりそこなった(どころか、月に降り立つことのなかった)架空のアームストロングに、わたしは漠然とイェーガー的なものを感じる―そこでのアームストロングに(むしろ現実のアームストロングには不似合いでピンとこない)ライトスタッフを感じてしまう(はたと気付かされる)のである。
 
もっとも、ライトスタッフがフライト・ジャケット(またはスペース・スーツ)を着たような存在のイェーガーが認めようと認めまいと、アームストロングは(他ならぬ)エドワーズで X-15 を飛ばしていた正真正銘のテストパイロット―もともと ライトスタッフ を云々される資格がないはずもないけれど。
 
我が妄想の「ザ・ライト・スタッフ」においては(イメージ的には)アームストロングとイェーガーは表裏一体の(だからこそ互いに反目する)ライトスタッフとして描かれることになりましょうか…
 
※ トム・ウルフは「パイロットとしての腕とエンジニアリングに関する知識のバランスがとれていること―それが宇宙飛行士になるための切符だ。 X 15 計画におけるジョー・ウォーカーの予備 ニール・アームストロングは、こういった新しいタイプの典型である。」[中公文庫]  A balance of pilot skills and engineering; that was the ticket. Joe Walker's backup pilot in the X-15 project, Neil Armstrong, was typical of the new breed. The Right Stuff  by Tom Wolfe) と述べる。