【誰にともなしに、独り言レス―その3263】
その1481~1482
レッドバロンは若くして 80 機を撃墜した ace of aces ―悠長なスポーツ感覚で(おいそれと)できる芸当とは思えない。
"Gentlemen, we are sportsmen. Not butchers. "
という体裁よく脚色されたモットーとは全く裏腹に、実際のレッドバロンは―
Ich schieße nie in die Maschine, schieße immer gleich den Führer ab. Wenn noch ein Beobachter dabei ist, natürlich den Beobachter zuerst.(英訳 I never get into an aircraft for fun. I aim first for the head of the pilot, or rather at the head of the observer, if there is one.)
決して機体を目がけて撃ちはしない、常にパイロットを狙いすまして撃つ、オブザーバー(機関銃士)がいたなら当然まっ先に撃つ―とシビアに断言して(書き残して)いて、敵機を撃墜する効率的な早道と考えていたらしい。
not men どころか、いきなり人を狙い撃ってたんですね、容赦なく―そのほうが手っ取り早いから。 (←どこが紳士的で騎士道精神?)
だから The Red Baron(2008 ドイツ)予告編の―
「歴史の真実を完全映画化」
は(冗談のつもりにしても)こっちが赤面させられる宣伝文句で、歴史の真実どころか伝説としてのレッドバロン像すら(従軍看護婦とのラブロマンスなんぞを)捏造したフィクションなのに(それを知ってか知らずか)こう言ってのける神経(無神経)に呆れてしまう。(それとも、歴史の真実を完全に脚色して映画にしましたって意味かいな?)
ま、不肖 sohkusa も常々自戒せねばなるまいけれど…
その 169 (2003/11/ 5)
Soon they'll have space platforms to drop nuclear bombs on us, like rocks from a highway overpass.
(じきにコミュニストどもは宇宙基地を造って核爆弾を落としてくるだろう、ハイウェイの陸橋から岩を落っこととすみたいに)
と、このようにジョンソン上院議員は、ソ連のスプートニクに先を越されたことを憤慨しております。(その2927参照)
それを受けて「これはハルマゲドンだ」というセリフになるんですから、米ソ冷戦下における宇宙開発競争は、まさに宇宙戦争だったというわけですが、この like rocks from a highway overpass という表現―
NHK の字幕は「そのうち宇宙基地を造って核爆弾を落としてくる」としてるだけで、その喩えはあっさり無視。
対してレンタルでは「そのうち我々の頭上に核爆弾を雨のように降らす」として(おそらく字数制限から「宇宙基地」を犠牲にして)、一応「雨のように」と解りやすい訳をあててますね。
この(いまいちピンとこない)ジョンソンの喩えは、愉快犯的に(もしくは営利目的で)そういった危険極まりないことをするアホ連中のニュースがいくつも検索にヒットするんで、当時もそういった輩がいたということなんでしょう、たぶん。
で、この岩を落とすように爆弾を落とすという喩えから、わたしは全然別のことを連想してしまいまして、次回はその話をば―
註) ただし、原作の一節―
He was genuinely convinced that the Soviets would send up space platforms from which they could drop nuclear bombs at will, like rocks from a highway overpass.(ソ連は宇宙プラットフォームを打ち上げ、まるで高速道路の架橋の上から石ころをおとすように、思いのままに核爆弾を投下するであろう、と彼は本気になって信じた)
この He はジョンソンではなく John McCormack(ジョン・マコーマック)の話