独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3018
 
その663~その664 2005/ 6/16
 
連絡官が the public would know they're just doing what monkeys have done. (宇宙飛行士はサルがやったことをやってるにすぎないと世間でも分かっている)と指摘します―なのに、グリソムらが英雄扱いされるのは理不尽だとでも言いたげに。(←サルは英雄ダヴィデにはなりえないという観点が連絡官にはないらしい―あいつは原作を読んでないのか?)
 
そして イェーガーが、Monkeys その言葉尻を捉え―
 
You think a monkey knows he's sitting on top of a rocket that might explode? These astronaut boys, they know that, see? (サルは爆発するかもしれないロケットのてっぺんに坐らされてることなど自覚してないが、宇宙飛行士はそれを承知の上だ)
 
と唐突に反論し、命がけの任務(suicide mission)、特にテレビ中継(on TV)されるものに志願するのは並大抵のことじゃない(special)と グリソムを擁護して―
 
Old Gus, he did all right.
 
と、実際のイェーガーが絶対に口にしそうにない(←とにかく エドワーズのテストパイロットは一人残らずバカにしてただろうし) セリフでクールに決める…(←ま、映画ですから)
 
イェーガーが Old Gus, he did all right. とグリソムを庇うのは、ことさらイェーガーをカッコよく脚色してるのと同時に、ガス・グリソムに対するエクスキューズといった面もあるでしょうね。
 
不当にグリソムを貶めている(←と、わたしは思う)原作を踏襲した映画「ライトスタッフ」は、リバティベルのシーンなど(身内から見れば)あまりに酷い描き方をしていると言わざるをえない―が、それでもメインキャストのひとりであるガス・グリソム(フレッド・ウォード)を辛うじてフォローしてもいて、テキサススタイルのバーベキューパーティでのホットドッグのインタビュー・シーンとかでもグリソムを救い上げてくれている。
 
そして、ラストのナレーションで アポロ 1 の事故死にふれ、最終的にガス・グリソムは悲運の英雄だったという印象でまとめております―ホットドッグのフェイス7を見上げるグリソムのアップ…あのエンディングは(何度でも言うけど)泣かせるじゃないですか。
 
 
ライトスタッフ」でガス・グリソム(リバティベル)の打ち上げ前夜、ココア・ビーチで飲みながらゴードン・クーパー[when Gus Grissom (played by Fred Ward) is about to become the second American in space, his fellow astronaut Gordon Cooper (Dennis Quaid) presciently warns him]
 
"Just make sure you don't screw the pooch, Gus."
 
このセリフはドイツ語字幕では―
 
Pass du mal auf, dass du keinen Mist baust.
 
ラスト近くのテキサススタイル・バーベキューでは逆にグリソムがクーパーに―
 
Just watch you don't screw the pooch.
 
と返すが、ドイツ語字幕は―
 
Pass auf, dass du keine Scheisse baust.
 
「くそドジを踏むなよ」くらいの訳でしょうかね。
 
 
その258 (2003/12/30
 
ジェミニ 3 capcom だったホットドッグは、You're on your way, Molly Brown. と言って見送ったそうです。
 
ライトスタッフ」では、フェイス7をガス・グリソムが Go, Hot Dog go と見送ってますね。
 
テキサススタイルのバーベキュー・パーティで、(話の上では)次に飛ぶ予定のホットドッグにグリソムが、しみじみと呟くシーンがあるでしょ―
 
Just watch you don't screw the pooch.
 
と、リバティベル打ち上げの(話の上では)前日に言われたことを逆に言い返すようにして。

あのシーンのグリソム(フレッド・ウォード)とホットドッグ(デニス・クエイド)の表情が実にいいですよねぇ…
 
ここは、ホットドッグのセリフと同じ you don't screw the pooch と言ってるんですから、その面白味を(わたしら字幕ウォッチャーに)解らせるためには、当然のことながら同じ訳をあてないといけませんが―
 
NHK の字幕 
 
ホットドッグがグリソムに →  「ヘマして泣くなよ」

グリソムがホットドッグに →  「ドジるなよ」
 
レンタルの字幕 
 
ホットドッグがグリソムに →  「ヘマして泣くなよ」

グリソムがホットドッグに →  「ヘマするなよ」
 
NHK の字幕が下敷きにしてるに違いないレンタルの字幕は、ちゃんと当り前に同じ訳をあててるというのに、NHK はグリソムのセリフを、いったい何の理由があって、わざわざ別の訳にしてるんでしょうか?
 
わたくしには、全くもって不可解としか言いようがありません。