独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3398】

 

そのサリー・ランドを feat. したカウフマンの神がかった構想力(脚色センス)には敬服する他はない。

 

ちょっとした一節(邦訳では 12 行足らず)にすぎない原作の(あえて映像になどしたくなかろう)卑俗な字面のクダリ(その3032参照)―そんなどうでもいいとこから、よくぞ「月の光」のファンダンスを “present to you... Miss Sally Rand !” と大見得を切って捏造(創作)してくれたものだなぁ…

 

何が凄いって、ここですよ、名作「ライトスタッフ」(即ち director にして screenwriter カウフマン)の尋常ならざる凄さは。

 

地上のテキサス(丸出し)スタイルのバーベキューパーティと天空の飛翔し墜落していく NF-104 をパラレルかつ融合させて描くのに、原作を逆手に取(撮)って理想化した(とは言え、決して実際とかけ離れてはいない)サリー・ランドをセンターに据えて幻想的な「月の光」のスポットライトを浴びせる―

 

あのシーンはバーベキューパーティ自体が(クーパーが最後とされてるので―その3032参照)フェイクであり、アホのジョンソンの MC がフェイク、クーパーのインタビューがフェイク、もちろん同時進行するイェーガーの NF-104 がフェイク、そしてサリー・ランドの正しい「月の光」の再現と、まさに核心の最重要シーン(その3030参照)が何から何まで嘘のファンタジー仕立て。

 

トム・ウルフが原作と違うと嫌った(その3080参照)カウフマンの自由奔放すぎる脚色―もしかしたら、スクリプトの(本心だと思えない)「シュガー・ブルース」はトム・ウルフへの目眩ましみたいなものだったかという気もする。(ま、いつもの妄想です)