【誰にともなしに、独り言レス―その3395】
サリー・ランドご本人（29歳？）によるファンタジックな「月の光」のファンダンスは Bolero（1934）の劇中 ３分間の舞をリアルに堪能できる。（その3032参照）
なので、原作の「シュガー・ブルース」を「月の光」に差し替えたのは別にカウフマン独自の閃き（アイデア）でも何でもなく、単純に考える（妄想する）なら、カウフマンがサリー・ランド（ファンダンス）についてリサーチする際に Bolero を見たとしたら（見たに決まってるが）、これを使わない手はない―扮するペギー・デイヴィスにも本物の振り付けを見せられるし。
むしろ、サリー・ランドのファンダンスとくれば Debussy's "Clair de lune" （とか Chopin's "Waltz in C♯ minor"）が定番で、その曲想に合わせた優美なパフォーマンスが本来なのであって、原作が容赦なく dis って描く「シュガー・ブルース」バージョンに欺かれてはいけません。
いくらトム・ウルフにサリー・ランドを ＞ancient（大年増の） Venus de Houston（ヒューストンのヴィーナス）と辛辣に揶揄されても、オリジナルの「月の光」のファンダンスを見れば（劣化した ancient なフィルムにも拘わらず）「ライトスタッフ」の眩いばかりのペギー・デイヴィスとのギャップを感じさせないハイスペックな ecdysiast を確かめられる。
What's My Line ? - Sally Rand (Dec 28, 1952)（YouTube）の麗しの charming lady（48歳）も原作の酷いイメージ操作を（一目瞭然に）覆すこと必至です。
※ 参考―What's My Line ? (Aug 23, 1964) イェーガー出演回（その2896参照）
