独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3052
 
謎の黒服の牧師―Angel-of-Death (その2920 参照)
 
トム・ウルフ(原作)は―
 
a clergyman of the newly deceased.
 
カウフマン(スクリプト)は―
 
THE MINISTER, the “Friend of Widows and Orphans”
 
と表現する。
 
結局は使われてないがトゥルーディの夢の中でクーパーの死に Friend of Widows and Orphans が(冒頭シーンと同じように  Just as wife at opening)現れる―
 
INT –COOPER’S HOUSE –DAY, TRUDY’S DREAM
 
She opens the front door. THE FRIEND OF WIDOWS AND ORPHANS is standing there with a sympathetic look on his face.
 
TRUDY
Go away……
 
悪夢には炎に包まれるクーパーが―
 
A BRIEF CUT OF GORDO’S FLAMING FACE INSIDE HIS HELMET
 
ここが実はクーパー邸のバーベキューパーティで焼け焦げるホットドッグを(ふざけて)トゥルーディに見せ(Gordo holds up a black and smoking hot dog.)不意にトゥルーディの顔色が変わる(今ひとつ判然としない)描写に繋がる。
 
 
その22 (2003/ 5/ 6
 
ゴードン・クーパー、ガス・グリソム、ディーク・スレイトンの空軍アスホール・トリオがエドワーズの宿舎の庭先でバーベキューしてるシーン。
 
火だるまになってるフランクフルトだかウィンナーだかを掲げて、ホットドッグが焼けたぞ(Hey,honey. You want a hot dog?)って見せるとこがありますね、ホットドッグのデニス・クエイドがトゥルーディのパメラ・リードに。(かわいそうに、この無神経なギャグにトゥルーディは引きまくって、ほんとに I'm leaving, Gordo.  と実家に引き上げる)
 
ここで明らかなように、ホットドッグ hot dog というのは本来はああいったソーセージのこと。
 
で、ゴードン・クーパーの(綽名であるところの) hot dog ―こっちのほうは字幕では「すご腕の若手」(「新進気鋭」)
 
こいつは、その hot dog pilots  のうちの一人だ(Gordo thinks he's one of those hot-dog pilots you hear about.)と、パンチョの店でガス・グリソムが誰かに紹介すると、いや、俺はそのうちの一人なんかじゃない(You got a short memory. I am not one of them hot-dog pilots.)とホットドッグが訂正―
 
I am the Hot Dog Man himself.
 
つまり、この俺こそが ジ・ホットドッグ(hot dog そのもの)であり、その人なんだと。
 
この字幕が「“すご腕の若手”(ルビでホットドッグ)とは命知らずの俺のこと」(「“ホットドッグ”というのは“命知らずのエース”」)で、ホットドッグは言ってもないのに勝手に命知らずにされちゃってます。
 
まあ(字数制限を無視してまでも)そう付け加えたくなる気持ちも解らんではないんですね、わたしは。
 
なぜなら hot dog って「すご腕の若手」と言うより(トピ主さんが仰る)「目立ちたがり屋」showoff one who performs showy, often dangerous stunts)なんですが、辞書には―
 
someone who performs dangerous stunts to attract attention to himself
 
この意味からすれば、目立つためには命がけのパフォーマンスもやらかしかねないんですよ、hot dog というのは。
 
ですから「若手」はともかく「すご腕」であることは間違いないし、「命知らず」という隠れたニュアンスもあり、でしょう。
 
ただ「すご腕の若手」というのは、ちょっと説明っぽいすぎです―ありもしない「若手」をくっつけてるとこからしてが。
 
この後が二人が rookie とか pudknocker  呼ばわりされる例のシーンですから、「新入り」とか「ひよっこ」とかを(イメージ的に)先取りして匂わしてるつもりなんでしょうか。(見れば解りそうなもんですけどね、ホットドッグは若手だって―あ、ガス・グリソムはそうは見えないか、一つ違いなのに)
 
それにしても  I am the Hot Dog Man himself.
 
この一言でホットドッグことゴードン・クーパーの、すご腕で目立ちたがりの自惚れキャラがよ~く解る、簡潔にして味のあるセリフじゃないですか。
 
こういうちょっとしたシーンも捨てがたい、「ライトスタッフ」が名作である所以でありましょう。