独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その2968
 
その867
 
Part 7 That's All There Is  はアル・ビーンが月から帰還する途上で「こんなものか…」とふと洩らすセリフ―ラストでも「人生ってそんなものだよ」と締め括ってます。
 
ドジなキャラで「特にもの凄いことをやったわけじゃない」といったニュアンスの話(のテーマ)になっており、人類初の偉業(アポロ11)の所詮は二番煎じ的ミッションを自らクールに見つめユーモラスに語るという演出です。
 
いささか陳腐な邦題の「友情の絆」は内容に即していて、ビーンのナレーションは親友のコンラッドとゴードンと一緒に月に行って帰ってきたことが全てだと結論している。
 
 
その2483
 
アポロ11 のエピソードがイメージ的に深刻かつ陰気で暗いのに対し、アポロ12 はクルーのテーマソングに CCR Up Around the Bend を使って、あくまでも軽快かつ陽気で明るいノリノリの作りになっており、それはミッションの重みの差もさることながら、それぞれのクルー(とりわけアームストロングとコンラッド)のキャラの違いによるものでありましょう。
 
その868
 
アル・ビーンはラストで―
 
The most precious things I brought back with me were the same things I left with My two best friends. 
 
I realized, when you go through any endeavor, any journey, whether across town or to the moon and back, all that matters is that you share the experience with people that you love. 
 
That's what makes life special, 'cause ultimately, that's all there is. 
 
That's really all there is.
 
とナレーションしている。
 
この吹き替えは―
 
そして一番大切なお土産は旅の前から持っていたもの―二人の親友だ。 
 
僕には分ったんだ、街外れまで行くにせよ、月に行って戻ってくるにせよ、どんな旅に出る時も、肝心なのはその経験を大切な人と分かち合うことだ。 
 
それが人生を素晴らしいものにする、だって人生ってそんなものだろう。 
 
ほんと、そんなものだよ。
 
と、ほぼ遺漏のない訳になっており、字幕だと(字数制限の関係で)こうはいかない―どうしても不十分なものにならざるをえないでしょうね。
 
 
その869
 
金色コルベット AstroVette のデザインが実物とは若干違っており、えらく大仰な CDRCMPLMP のロゴがドアに描かれていて(いかにも TV 向きの分りやすい仕様で)あまり趣味がよろしくない。
 
そもそもピカピカの金色ってセンスもどうかと思うが(←ちなみに「アポロ 13」でケン・マッティングリー役のゲーリーシニーズが乗ってたのは金色にも見えるけど黄色らしい)、実際はフロント(フェンダー Stingray マークの上)に付けられたエンブレムの赤・白・青の各部分に銘々(順に)CMPCDRLMP(例えばアル・ビーンのは青の部分に筆記体LMP)と記されてるだけです。
 
おそらく ピート・コンラッドが誂えたんでしょう、そんな人(←マイク・コリンズによれば funny, noisy, colorful, cool…)でしたから。
 
コンラッド1999 7 8日に地上で crash した搭乗機はコルベットではなくハーレー Harley-Davidson だった―墓碑銘には "An Original" と刻まれている。 (←いみじくもコリンズは "Should play Pete Conrad in a Pete Conrad movie." と申しております)
 
「人類、月に立つ」は 1998年制作だからコンラッドは見れたんですね―きっと例の colorful vocabulary TV に突っ込みを入れながら面白がってたんじゃなかろうか。
 
 
その870
 
追記 1 更には「友情の絆」は 3 人のクルーにとどまらず、ビーンはミッションパッチに描かれた 4 番目の星が C.C.ウィリアムズであり、海兵隊だった C.C. のバッジ(aviator astronaut wings)を嵐の海に置いてきたことを打ち明けてます。
 
追記 2 嵐の海は Ocean of Storms Oceanus Procellarum で正確には嵐の大洋と言うべきか―静かの海 Sea of Tranquility Mare Tranquilitatis など他の幾つもの海 Sea に比べ、はるかに広大なので大洋 Ocean と呼称されている。(「人類、月に立つ」でも嵐の海と言っており一般的ではあるよう)
 
追記 3 C.C.ウィリアムズは背が高かったので身体検査の前に繰り返しジャンプして縮めたという―まるでジョン・グレンみたいですが、マーキュリー当初の 5フィート11インチの身長制限はジェミニ以降(別にグレンに合わせたわけじゃなく) 6 フィートに緩和されてました。
 
追記 4 ビーン C.C.ウィリアムズの他にもチャールズ・バセットとエリオット・シー、それとテッド・フリーマンが T-38 で墜落死した(Ted Freeman was flying his T-38 at a couple hundred miles per hour when a goose smashed in the Plexiglas of his cockpit - he was killed.)と話す―フリーマンは「コックピットのガラスにカモがぶつかった」と吹き替えていた。 正しくは goose と言ってるので(カモではなく)ガンですね、どっちでもいいと思われるでしょうけど。 (←ま、こんなことも抜かりなく独り言のネタにしてるという自慢ですか)
 
追記 5 アポロ12 の船内に「シュガー・シュガー」が流れビーンとゴードンが歌うシーン、ちゃんと交信記録に [Music - "Sugar Sugar" Archies] とあるのでホントだろうが、状況はウソっぽい。(←その時間が違う)