【誰にともなしに、独り言レス―その3298】
チャイコフスキー「パクリ」 問題―
>既定路線的な話
もっとも、端からの既定路線ではなくて、いかにも予定調和に見えるビル・コンティ、実はジョン・バリーの後釜だった―
その1382 (2013/ 3/ 2)
すっかり様変わりして(今のところ)すこぶる使い勝手のよろしくない掲示板(もどき)になり、いつどこに書いたか不明(捜索不能)ですけど、カウフマン監督の White Dawn の曲はどれ? といった旨のレスは(ずいぶん以前)確かにしました。
何を今更の答を(いつもの自問自答でスマンが)いたしますれば、グレンのフレンドシップ7 のシーン(capcom のシェパードが You have a go, at least seven orbits. と葉巻を咥える)で流れるのがそれ。
どうやら(推測するに)フレンドシップ7 でかかる ホルストの The Planets(惑星)と ヘンリー・マンシーニの White Dawn は temp-track (仮の曲)をそのまま拝借したような。
ひょっとしたら、チャイコフスキーの Violin Concerto もそんなとこ(こんな感じでと指示された temp-track に加味した)か…?
何しろ、急遽(脚本の交代に伴う)オリジナル音楽(ジョン・バリー)の変更を任されたビル・コンティの見事な職人芸のなせる業でしょうから。
※ ジョン・バリーはカウフマンとは最悪(most dishonest)の付き合いだったと仰ってます―
The details are a little foggy now, but I’ve always remembered my association with Kaufman was also one of the most dishonest pieces of behavior I’ve ever encountered in the movie industry. (John Barry on Scoring the Enigma – Soundtrack 2013/ 7/ 8)
チャートフ/ウィンクラーが(「ロッキー」で馴染みの)ビル・コンティに緊急要請するも、やはりカウフマンのセンスとは反りが合わず、例えば White Dawn についてのカウフマンの証言―
The music was also crucial to this sequence. Bill Conti wrote a great score, but he didn’t quite catch the sense of wonder I wanted for this sequence of Glenn orbiting the earth as the sun rises. On the temp track I used a piece of music that Henry Mancini had written for [my film] The White Dawn 10 years earlier. It actually started with an Eskimo woman sitting in an igloo humming this ancient Inuit song. So I used it again during this sequence from The Right Stuff. (DGA Quarterly Magazine | Spring 2012 |Rocket's Red Glare)
基本的にビル・コンティはカウフマンの temp-track に沿った(なるべく似せた)曲作りを意に反して強いられている。
なので、そのままでも使われてる White Dawn や The Planets 、そして悪評高い Violin Concerto in D major 的曲想の換骨奪胎をパクリなどと責めら(なじら)れては立つ瀬があるまい。(“If I get any closer, I want a disclaimer !”)
あれがパクリだとしても、確かにビル・コンティには 100% の免責を主張する権利があろう。
が、んな些細な(つまらん)ことは「ライトスタッフ」では意味をなさない。
あれは「ライトスタッフ」においてはパクリではなく(まさに「ライトスタッフ」式の)パロディに他ならないから。(その3273参照)
むしろ、ビル・コンティは temp-track の手枷足枷(制約)を逆手に取った手練手管(職人技)を披瀝して見せてるとさえ感じられる。
まことに、「ライトスタッフ」は 名作=名曲 ですね―でしょ、諸兄。(その2985参照)