【誰にともなしに、独り言レス―その3297】
「ライトスタッフ」製作にあたり、チャートフとウィンクラーは先ず脚本をゴールドマンにオファーする―初めにゴールドマン脚本ありき、これがデフォルトなんです。
そして監督をマイケル・リッチー Michael Ritchie(「がんばれ! ベアーズ」The Bad News Bears 1976)に持ちかけるも、すげなく断られる。
次に(本命?)ジョン・アヴィルドセン John G. Avildsen―何たってチャートフ/ウィンクラーの「ロッキー」Rocky 1976 でオスカー監督になってるし、音楽も(「ベスト・キッド」The Karate Kid 同じく)ビル・コンティとくれば、普通は文句なく決まりでしょ、この(イージーな「売り」狙いぽい)顔ぶれで。
ところがどっこい、この既定路線的な話もポシャるんですよ―純正ライトスタッフ・ファンにとっては、天の配剤とでも申しますか。
何しろ、カウフマン以前に誰かが(すんなり)監督を OK していれば、ゴールドマン脚本の「ライトスタッフ」―即ち、ライトスタッフの真髄たるイェーガーを無下に捨て去った「ライトスタッフ」(もどき)が撮られていたんですから。
やっと 3 番手に(「レイダース」をやらなかったおかげか)お鉢が回ってきたカウフマンが監督を引き受ける。
まぁ、後から振り返ってみると、たいていの事は奇跡的に感じるのかもしれないけれど、よくぞカウフマンに「ライトスタッフ」が辿り着いてきてくれたものだなぁ…
筋金入りの純正ライトスタッフ・ファンであるカウフマンであればこそ、ゴールドマン脚本を撥ね付け、自ら正しい「ライトスタッフ」を書く―その(screenwriter としての)資質もさることながら、敢然とゴールドマンを拒絶するほどの気質は余人にはあるまい。
さすがに、ちょっとビビったでしょうけど。(I was almost fired as he was the most important screenwriter in Hollywood.)