【誰にともなしに、独り言レス―その3296】
カウフマンとルーカスには（純正ライトスタッフ・ファンには）ぞっとさせられるほど際どい関わりがあって、ルーカス製作（executive producer）・スピルバーグ監督（directed by Steven Spielberg）・カスダン脚本（screenplay by Lawrence Kasdan）の「レイダース／失われたアーク」‘Raiders of the Lost Ark’ （1981）は当初 ルーカスは元々プロット（原案）を一緒に練っていたカウフマン（story by George Lucas and Philip Kaufman）に監督・脚本を望んでいたところ、何だかんだ他の仕事で延び延びになった後に（ひょんなことから）スピルバーグと話が盛り上がって（あくまで基本アイデアの「カウフマンが了承すれば」という筋を通した前提で）横から乗り気になってるスピルバーグに撮らせることにした… って、んな（まぁ、言わせてもらえば）誰でもよさそうな映画の監督を（まかり間違って）カウフマンが引き受けたりでもしてたらタイミング的に名作「ライトスタッフ」は生まれなかったかもしれないんですよ―幸い、カウフマンはスピルバーグにやらせるのを「それでいいんじゃね」（fine）と快諾したけども。
カウフマンの証言（The Hollywood Interview: Philip Kaufman）―
I didn't actually write any drafts of that. George Lucas and I sat down to write a story. I had the idea of the lost ark. George had the idea of the Indiana Jones character. We talked for about six weeks and then I got an offer to do another movie. About four years later, I got a call from George saying that he and Spielberg talked about the project on a beach in Hawaii, and would I mind if Steven did it? I said fine, and that's what happened.
「ライトスタッフ」はカウフマン以外の誰が監督をしようとゴールドマン脚本だったろうから「ライトスタッフは名作です」とは絶対になっていない。（その3029、3082、3214～3217参照）
カウフマンが脚本を書き監督してこその「ライトスタッフは名作です」ゆえ、ルーカス（インディ・ジョーンズ）なんぞに（たとえ善意の結果的にだろうと）潰されてたんじゃ泣くに泣けない―そうならなくてホントによかったと安堵するわけであります。
※ ルーカスは「ちんたらしてたら監督を代わってやる」と自らスピルバーグに（タイトな撮影を）命じてたらしいので ＞誰でもよさそうな映画の監督 は言い過ぎにしても、それが（純正ライトスタッフ・ファンにとっては余人に代えられぬ）カウフマンである必要は全然ないのは確か―スピルバーグが（ちゃっかり）横取りしてくれてなけりゃ、どうなっていたことやら… ね、ぞっとさせられる話でしょ、諸兄。
