独り掲示板

ライトスタッフは名作です-2

独り言レス

【誰にともなしに、独り言レス―その3162】

 

ラブレース博士(は、航空宇宙医学研究における学究的好奇心から)とコクラン(は、アスホールどもには決して劣ってはいないという信念から)の二人は(いわば結託して―旧くからの友人)そのマーキュリー7をふるいに掛けた同じフィジカルテストを(26 人の)レディースに受けさせてみようと企てる。

 

結果、ジェリー・コッブを始めとする 13 人の Lovelace Women が(アスホールどもには決して劣ってないどころか、それ以上の優秀な成績で)パスするわけです。

 

さしものコクラン自身は(ゆうに 50 を過ぎてましたから)残念ながら年齢制限で完全にアウトだったものの、もともと本人は当然やる気満々で、我こそはとばかりに(マジで)テストを受けたらしい、くそ意地張って。 (←もっと後で F-104 をマッハ 2 でかっ飛ばしてることを考えれば、まだまだ A-OK だったのかもしれないけど―にしても、何ちゅうオバはんや、ったく)

 

 

ジェリー・コッブ(←既に最終段階のテストまでパスしていた)以下 13 人がラブレース・クリニックでのテストを終え、いよいよ次は海軍がセットした(ジェット飛行訓練を含む)テストを受けるために、勇躍 ペンサコーラ(Naval Air Station)に向かわんとする直前になって、突然何の説明もなしに NASA はテストをキャンセルする。

 

正確には、海軍が要請したにも拘らず NASA がテストを公式のプログラムとして承認しなかったせいで、やむなく海軍としてはテストをキャンセルせざるをえなかったもよう。 (しばらく承認が降りるのをレディースは期待してたが、結局そのままプログラムは中止された)

 

それに、公式には(と言っても、終始 NASA は非公式なプログラムとして処理していた)"NASA Fellow Lady Astronaut Trainees"(FLAT)と称された、この Lovelace Women の(秘密だったとは言え、既にジェリー・コッブのことは公にされてたから)テストのことをメディア(世間)が騒ぎ出したんですね、この時(いつしか)。

 

つまり、マーキュリー7(astronaut)のことよりも(語尾を性転換させた)astronautrix (或いは astronette)のマーキュリー13 のほうに(興味本位に)話題が移ってしまい、それで NASA は、ひとつには(訓練中にしろフライト中にしろ)レディースに万が一のことでも起きようものなら、イメージ的に超マズイだろって心配になったか。(←逆差別?)

 

この辺の NASA のその場限りで事なかれ主義的な態度は突っ込まれて当然で、後の証言では(言うに事欠いて)あいにくスペーススーツだの何だのレディース向けにデザインされた装備を持ち合わせてないからなどと、取って付けたような(アホらしい)言い訳をしてまで、妙に頑なにプログラムを中止してしまう。

 

 

この唐突なプログラム中止勧告は(時系列的な整合性は微妙ながら)リバティベルの事故が(一つの)引金になったかとも推測される―何しろ、ガス・グリソムは危うく溺死するとこだったんだから。

 

あれがレディースだったとしたら、どれだけ世間が騒いだことか…(←アラン・シェパードの次にジェリー・コッブを飛ばすなんてのも、ちとムチャすぎるが)

 

ともかく、とうてい納得のいかないマーキュリー13 のジェリー・コッブとジェーン・ハート Jane Hart (←旦那が上院議員)の二人は(ワシントン DC に飛んで)憤然とアホのジョンソン(副大統領)に掛け合う―どういうこっちゃねん、と。

 

ん…?

 

実は、このエピソード、二人がジョンソンに掛け合ったというとこに、何かしら引っかかるものがあるんですよ、わたしは―どういうこっちゃねん、と。

 

と言うのも、ジョンソンはコクランの大の親友―コクランが、いくらでも無理を言える相手、命の恩人だから。 

 

ならば―なぜ、コクラン自らが直接ジョンソンに相談しないのか?

 

ジョンソンは、ジェリー・コッブらの訴えを聞きはしたが、積極的な調停は渋ったらしい。

 

これは全くの想像ですけど、常識的に考えてコクランは当然ジョンソンに相談していた―いや、と言うより逆に、ジョンソンは事前にコクランには(プログラム中止についての)話を通していた、とうにコクラン個人へは根回し済みと見るのが自然なんじゃ?

 

それが、その後に開かれた公聴会における(マーキュリー13 を愕然とさせた)コクランの証言となって現れているんじゃないか―と、わたしは勘繰っている。

 

 

ジェリー・コッブらの必死の働きかけで、やっと一年後(1962年 7月)に公聴会が(3 日間の予定で)開かれます。

 

そこでの(何ヶ月か前に国民的英雄となった)ジョン・グレンの証言が(予定されてた 3 日目がキャンセルされたほどに)決定的だった(つまり、レディースの息の根を止めた)というふうに伝えられてるけれど、当のマーキュリー13(公聴会に出席したコッブとハート)にとっては、むしろ(グレンより先に初日にあった)コクランの証言こそが致命的―心臓も止まらんばかりのショックだったに違いない。

 

この公聴会でコクランは、とうていコクランの口から出たとは信じられない、まさにマーキュリー13 を(土壇場で)裏切ったとしか言いようのない驚くべき証言をやらかす。

 

ややデフォルメして要約すると↓こんな感じ―

 

女を訓練しても、お金のムダ―結婚して途中でいなくなるから。

 

いったい、どうしちゃったの?って感じでしょ、こんなベタな(それこそ WASP の時には逆に自分がそう言われて批判された、まさに同じ)突っ込みを口走るなんて―あのコクランがですよ。

 

あくまで一般論を正直に(およそ女とはそういうものだと)述べただけなのか―

 

同時に、女を女だという理由だけで差別するべきではないと(きっぱり)主張したコクランの(まるで筋が通ってないと思える)真意がどこにあるのかは測りかねるが、このビックリ証言には、さぞや手酷いダメージを受けたことでしょうね、ジェリー・コッブは―

 

この最後の望みをかけた公聴会なるものが、とんでもない茶番だと思い知らされたわけですから…

 

ジェリー・コッブは(NASA がお為ごかしに用意した)コンサルタントという名ばかりのポストにも嫌気がさし、その後しばらくして(失意のうちに)辞めてしまう―以来、敬虔なクリスチャンの彼女は、長年に亘ってアマゾンのジャングルを飛び回り(ノーベル平和賞にノミネートされるほどの)献身的な奉仕活動(医療品などのフェリー)を行っておりますね―むろん、ずっと結婚せずに。

 

 

コクランがマーキュリー13 を立ち上げたと言っても、正確にはラブレース博士の発案に乗って、その資金面のサポートをした(特別顧問)というのが実情のようで、ひょっとしたらレディースとの間には何か溝みたいなものがあったのかもしれない。

 

特に(他の 12 人のテストを手助けした)若きリーダーのジェリー・コッブ(←コクランが関わる以前に選ばれていた)とは、その関係にぎくしゃくしたものがあって不思議ではない―と言うより、単刀直入には(宇宙飛行士になるには歳を取りすぎていたコクランと、若き女性宇宙飛行士としてチヤホヤされてたジェリー・コッブは)互いに嫌っていたというのが真相のよう…

 

ま、この(どろどろ系の)方面については我が妄想ベクトルはからきしなので(話を元に戻して?)そろそろ、まとめに入りましょう―って、別に何もまとめるものなんぞ、ありゃしませんが。

 

(ん~何だか、そこはかとなく、疲れてきた…)